平成21年8月 第2370号(8月19日)
■eラーニングワールド2009
大学eラーニング協議会のフォーラムも
京都大学高等教育研究開発推進センター(田中毎実センター長)と財団法人電通育英会(松本 宏理事長)は、去る7月25日、26日、京都市の同大学において、大学生研究フォーラム2009を開催した。学生の何が成長しているのか、何を学んでいるのかを考える場として、昨年より開催。全国から300名もの関係者が集った。
新潮流の中で進化するeラーニングの世界―去る8月5日から7日まで、東京・台場の東京ビッグサイトにおいて、本年で九回目となる「e-Learning World 2009」が開催された。
企業等のeラーニングによる研修等サービスの展示とともに、関連学協会、駿河台大学や北海道情報大学、熊本大学などの大学ブースが充実。訪れる参加者に熱心に説明をしていた。セミナーやセッションも、期間を通して六〇近くが開かれた。なお、第六回となる日本e-Learning大賞では、文部科学大臣賞に鹿屋体育大学の「実践的なスポーツ指導能力を育むためのe-Learningプログラム〜体育系学部における教育実践」が選ばれた。
eラーニングは技術やシステムとともに絶えず進化しており、現在では様々なツールを使用することで、社会的、協調的学習の機能が個別学習機能とブレンドされている動向にある。何となくとっつきづらいイメージのあるeラーニングだが、学習者の学習プロセスを細やかに記録できるなど、「学習者中心の大学作り」の強力なツールとなることも間違いない。
二日目には、本年2月に設立された「大学e-Learning協議会」の第一回公開フォーラムが行なわれた。同協議会は、日本のeラーニングを先導的に推進している大学が集まり、教育・運用方法に関する知識交流を図ることを目的とした、緩やかな連携ネットワーク。具体的な取組として、知識や教育方法と密接に連携したFDの取組などを積極的に公開し、効果的な授業展開や新たな教育方法の確立を目指す。
なお、同協議会ではeラーニング活用プロセスに即して5分科会を設置。加盟二一大学持ち回りで、教材やシステムの開発、学習者の視点からのインターフェース設計、FD等での利活用、具体的な実践事例やノウハウ等を研究・共有する。当日は、関西大学と熊本大学、金沢大学、長岡技術科学大学と電気通信大学、帝塚山大学、千歳科学技術大学と信州大学がそれぞれ取組事例を紹介した。
協議会代表校の千歳科学技術大学小松川浩教授の話「eラーニングの導入理由は各大学でバラバラだが、活用プロセスのノウハウ、悩みは共通する部分も多い。導入大学は今後ますます増加すると思われる。関心のある大学は是非参加して頂きたい。」