平成21年7月 第2368号(7月22日)
■定員を最大369人増員
国公私立大の医学部今後10年間、増員続行
文部科学省はこのほど、全国の国公私立大の医学部の来年度の入学定員について、過去最多だった今春からさらに最大369人増員し、8855人とする計画を発表した。
同時に、医師不足に対応するため今後10年間、増員を続ける方針も明らかにした。卒業後も一定期間は地域にとどまる条件を課すなどして医師偏在の解消を目指す。
増員の内訳は、次の通り。
@各都道府県7人以内の「地域医療枠」(最大329人)
A各大学3人を上限に、臨床現場には出ない研究医を養成する「研究枠」(同10人)
B併設の歯学部で定員を減らした場合に医学部の増員を認める「歯学代替枠」(同30人)―の計369人増員されることになった。
地域医療枠は、勤務地を一定期間限定した入学枠を設ける大学などが対象。従来は、都道府県が地元大学だけを対象に割り振り先や人数を決めていた。
しかし、今回は、他の地域にある大学から派遣された医師も地域医療を支えている実態を踏まえ、7人のうち2人までは別の都道府県にある大学にも割り振れるようにした。
地域枠での増員については、都道府県と大学が協議して決める。歯学部定員の削減や研究者育成コースで定員数を増やす場合は、各大学が9月末までに文科省に増員計画を申請する必要がある。