平成21年7月 第2368号(7月22日)
■大学分科会
第2次報告へ向けから部会WG報告
質保証システム部会・学生支援WG・グローバル化WGなど
中央教育審議会大学分科会は、去る7月14日、第81回会合を開き、「中長期的な大学教育の在り方について」の審議を行い、審議の進んでいる部会やワーキンググループの審議状況がそれぞれ報告された。
e質保証システム部会
主な検討事項として、設置基準・設置認可関係では@定性的、抽象的となっている「設置基準」の規定(教員要件、施設設備、情報公開等)の在り方、A諸外国等における評価の観点も踏まえ、内部質保証システムを構築させるための規定や常識であるため明定されていなかった事項(学生支援、学習環境等)に関する規定の在り方。
認証評価関係では、@大学評価基準と「設置基準」との関係。A「設置基準」と同じ内容の大学評価基準、評価団体が独自に設定する「設置基準」を上回る大学評価基準、大学ごとに掲げる目的への適合性など「設置基準」以外の内容である大学評価基準、と認証評価結果の根拠との関係。B留意事項やアフターケアの結果の活用等、設置認可審査との関係の在り方。C専門職大学院における分野別評価の特例の見直し。D分野別評価の在り方と機関別評価の簡素化。E大学の機能別分化と認証評価の在り方や認証評価結果の活用の在り方。など。
そのほか、情報公開の促進方策、自己点検・評価の改善・充実方策、学協会や大学団体等による自主的・自律的な質保証活動の支援の在り方など。
e大学院部会
学問分野及び学位レベルごとに、修得することが期待される知識・技術体系や資質能力の公表の義務化など大学院教育の実質化について。ティーチング・ポートフォリオ等を活用した教員の教育面の業績の可視化の必要性や教員FD・事務職員SD等の実施の必要性など。人文社会科学系、理工農学系又は医学系の作業グループを設置して、大学院の学部レベル別・学問分野別の規模の在り方。研究奨励金(フェローシップ)等による経済的支援の充実の必要性、さらに、修士課程、博士課程の在り方や国際的に卓越した大学院の形成についてなど。
e学生支援WG
A学生支援・学習環境整備の意義とその方向性のほか、大学の教育活動、学生支援・学習環境整備の在り方としての@学生生活に求められる機能、学生支援・学習環境に係る質保証、A新たな大学の教育活動としての「職業指導(キャリアガイダンス)」の導入、B修学支援、学生相談、就職支援、経済的支援などの総合的な学生支援の在り方、など。
e大学グローバル化検討WG
国際的通用性の観点から共通に求められる大学の国際化の在り方のほか、公的な質保証システムの海外への発信と教育連携に向けた検討について報告。大学制度のほか、ダブル・ディグリー等の教育連携(ジョイント・ディグリー、デュアル・ディグリー、共同学位、複数学位など)について用語の整理とともに、これらについて引き続き検討していくことなど。
同分科会では、これらの各部会、WGの報告について意見交換し、それらの意見等を反映させて各部会等では更に審議を深めていくことになる。