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平成21年7月 第2366号(7月8日)

国家レベルで安全確保を
 安全・安心科技委が中間まとめ

 このたび、科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 安全・安心科学技術委員会(主査:板生 清東京理科大学大学院総合科学技術経営研究科教授)では、「安全・安心に資する科学技術の推進について(中間まとめ)」を取りまとめた。同委員会は、第四期科学技術基本計画に向けて、科学技術の成果を安全・安心な社会の実現へと結びつけるための方策を中心に検討してきた。

 安全・安心科学技術では、国民の安全・安心を確保するという目的達成のために求められる推進方策を、ク国家レベルの安全確保のための科学技術の研究開発体制の整備、ケ国民レベルの安全確保のための科学技術の実装への取組、コ安全・安心科学技術の共通基盤の強化等の視点から提言している。
 このたびの中間まとめ以降も、同委員会では引き続き検討を行い、九月末を目途に最終まとめを行う。
 安全・安心に資する科学技術の推進について(中間まとめ)の概要は、次のとおり。
 ▽現状認識
 科学技術政策から、経済的な価値を創出する「科学技術・イノベーション政策」へ。安全・安心の確保は、重要な社会的価値。
 ▽基本的考え方
 分野横断的な科学技術を活用するとともに、規制の緩和、社会・国民の理解と許容、市場原理に基づく普及、人文社会学的な知見の活用など、総合的な取組として社会の問題を解決し、安全・安心を確保する。
 ▽推進方策
 ニーズに立脚し、適切な研究開発体制を構築するとともに、基盤的な取組も強化する。
 (1)国家レベルの安全確保のための科学技術の研究開発体制(@国家・行政ニーズの把握、A出口側機関に対する研究開発部局の支援強化、Bニーズを踏まえた研究開発目標の明確化、調達との連携、C技術運用のための調査研究等、D実証試験への協力体制)。(2)国民レベルの安全確保のための科学技術の実装への取組(@生活者のニーズを出発点とする取組、A規制等の社会システムの改善と連動した社会的イノベーション創出に向けた取組)。(3)安全・安心科学技術の共通基盤の強化(@分野横断的な取組のための中核となる機関の確立とネットワーク構築、A技術、情報管理の体制強化、B科学技術の悪用・誤用防止、C国際協力の推進)。

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