平成21年7月 第2366号(7月8日)
■私大協会
関西支部
私学への理解を深める
初任者研修会を開催
日本私立大学協会関西支部(支部長=森田嘉一京都外国語大学理事長・総長)は、去る7月1日に大阪市・大阪ガーデンパレスにおいて、平成21年度初任者研修会を開催した。同支部加盟大学74大学より48大学151人の初任者が参集し、私立大学の事務職員として必要な基礎的知識などを学んだ。
研修に先立ち、森田支部長は挨拶の中で、「初任者研修会は、今回で17回目を迎える。各大学においては、私学を取り巻く厳しい環境をいかに乗り越えていくか苦心している。現在、私学が置かれている立場を理解し、私学発展のために寄与していただきたい」と述べた。
研修は講演形式で行われ、はじめに同協会本部事務局の小出秀文事務局長が、「私学をめぐる諸問題」と題して登壇。18歳人口の推移や国立大学と私立大学における学生一人当たりの公的支出の割合、また帰属収入で消費支出を賄えない学校法人数の推移などを資料を基に具体的に示し、私立大学を取り巻く環境について解説した。また、同事務局長は、講演の中で「私学人としての情熱を掲げ、各大学の課題だけでなく、私学共通の課題に対しての見識を高めていただきたい」と述べ、私学振興の一端を担う初任者を力強く激励した。
続いて、日本私立学校振興・共済事業団の黒木祐弥大阪会館共済業務課長が、私学共済制度の概要について、主に短期給付事業、長期給付事業、福祉事業の説明を行った。
その後、弁護士の俵 正市俵法律事務所長が、「私学の法律入門」と題し、国公立学校と私立学校の異同等について、またその根拠となる法律や施行規則について紹介したほか、私学の自主性と公共性などについて、具体的な判決例を参照しつつ解説した。
最後に、麻Eィズネスの本田妃世代表取締役が、社会人として身につける一般的マナーについて、参加者の演習を交えながら講演を行った。
電話対応の演習では、本田氏からの電話を受けるという設定で実演練習が行われ、丁寧な受け答えをした関西福祉科学大学の新任職員に参加者から大きな拍手が送られるなど、会場は盛り上がった。最後に同氏は、タイムマネジメントの重要性等について語り、仕事の進め方を示唆した。
研修後の懇親会では、活発な情報交換や名刺交換が行われ、同志的な精神を高める有意義な会となった。「大学の発展のために尽力したい」「学内のことだけでなく、広い視野を持って業務に取り組んでいきたい」「新任の気持ちと今日の学びを忘れずに仕事をしていきたい」等、参加者は私学人、大学人としての心構えを輝かしく語った。