平成21年7月 第2365号(7月1日)
■共同利用共同研究
73拠点を認定
私大3件(東京理大・早大・神奈川大)
文部科学省は、このほど平成21年度「共同利用・共同研究拠点」の認定結果を公表した。
この制度は、個々の大学の枠を超えて、大型の研究設備や大量の資料・データ等を全国の研究者が共同で利用したり、共同研究を行う「共同利用・共同研究」のシステムは、従来、国立大学の附置研究所や大学共同利用機関等を中心に推進されてきた。今後、我が国全体の学術研究の更なる発展のためには、国公私立大学を通じて研究者が共同で研究を行う体制の整備が重要になっている。
このため、昨年7月、文科大臣による認定制度を創設しており、このたび106件の申請を受け付け、審議の結果73件(国立大学70件、私立大学3件)が認定された。
認定拠点の特徴は、@これまで少なかった医学・生物学系及び人文学・社会科学系で多くの拠点を認定、Aこれまで無かった研究分野(感染症学、農学、人文学等)の拠点を認定、B複数の附置研究所等で構成するネットワーク型の拠点を認定、C一定の役割分担のもとで、同一分野に複数の拠点を認定など。
大学別の申請・認定状況は、国立大学は申請九六件、認定70件、私立大学は申請10件、認定3件となっており、分野別にみると、理学・工学系は申請53件、認定33件、医学・生物学系は申請35件、認定27件、人文学・社会科学系は申請18件、認定13件などとなっている。
なお、私立大学の認定3拠点は次のとおり。(カッコの中は、研究施設名、共同利用・共同研究拠点名、研究分野の順)
▽東京理科大学(総合研究機構火災科学研究センター、火災安全科学研究拠点、建築学・建築防火)
▽早稲田大学(坪内博士記念演劇博物館、演劇映像学連携研究拠点、芸術学・芸術史・芸術一般)
▽神奈川大学(日本常民文化研究所、国際常民文化研究拠点、文化人類学・民俗学)
なお、認定された73拠点のうち、ネットワーク型は3件(物質・デバイス領域共同研究拠点、学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点、海洋生物学研究共同推進拠点)であった。