平成21年6月 第2364号(6月24日)
■厳しい状況下の推進方策
第91回高専総会開く
日本私立高等専門学校協会(会長=神野 稔近畿大学工業高等専門学校長)は、去る6月15日、東京市ヶ谷の日本私立大学協会会員室において第91回春季総会を開催した。
開会に当たり、神野会長は、「高専は産業界の要請を受けて中堅技術者養成を目的につくられた制度である。近年は、国立のスーパー高専や公立の東京都立産業技術高専のような高度化と経営の効率化を進めている高専もあるが、私学の三高専は、経営状況の厳しい中で、今後も努力を惜しまず高専教育に取り組んでいきたい」などと挨拶。
議事に入り、平成20年度収支決算を満場一致で承認するとともに、小出秀文事務局長より、平成21年度事業計画案及び予算案が提案され、協議の結果、原案どおり承認・決定した。
人事案件では、財団法人私立大学退職金財団評議員の任期満了に伴う後任者について、サレジオ高専からの選出が決定した。
次に、ゲストに迎えた独立行政法人国立高等専門学校機構事務局長の大槻秀明氏より「国立高等専門学校機構の推進事業等」についての解説が行われた。
同氏は、国立高専機構は、15歳人口の減少、高等教育ユニバーサル化、理科離れ、毎年の運営費交付金の▲1%、産業界からの実践的・創造的技術者養成の要請などの環境変化の中で、5年間の中期目標と年間計画のもとに事業を行ってきている。55高専のスケールメリットを活かした効率的運営や新しいモデルのスーパー高専の設置、「ヒューマンネットワーク高専」との連携などを推進している。最後に、これを機会に私立高専との連携を図り、高専ブランド力を高めていきたいと語った。
続いて、文部科学省専門教育課の藤原章夫課長が「高専を取り巻く諸問題と高専教育を巡る諸課題」について解説した。
同氏は、中教審答申「高等専門学校教育の充実について」が示した今後の高専の位置付けや学校制度の見直しについて、また、平成21年度補正予算について説明するとともに、受験生減少などの根本問題や専修学校一条校化問題もある中で議論を深めてほしいと語った。
協議の後、意見交換が行われて終了した。