平成21年6月 第2364号(6月24日)
■私大協会 地球温暖化対策の協議会開催
新エネ・省エネの事例研究等発表
低炭素社会実現へ向けエコキャンパス推進を
日本私立大学協会(大沼 淳会長)の私立大学基本問題研究委員会は、去る6月17日、東京・市ヶ谷のアルカディア市ヶ谷において、加盟102大学・150名余が参加して「平成21年度(通算第2回)地球温暖化対策に関する研究協議会」(担当小委員長=小原芳明玉川大学理事長・学長)を開催した。平成20年の省エネ法の改正や国の二酸化炭素排出削減目標を踏まえ、私立学校全体としても2007年度を基準に毎年1%の削減目標を掲げており、地球温暖化対策の取組みとして、各大学のエネルギー管理が求められている。国の支援事業、大学の取組事例、エネルギー関連企業の研究等を中心に協議が行われた。
はじめに、小出秀文事務局長が、公務で欠席の小原担当小委員長からのメッセージを紹介して開会した。
さっそく研究・協議に入り、「地球温暖化対策における私立大学への期待〜低炭素化社会の実現に向けた整備等に係る予算を含む」と題して、文部科学省私学部私学行政課の小谷利恵課長補佐と同部私学助成課の真野善雄専門官が登壇。
小谷氏は、省エネ法改正に伴い大学法人が今年度に実施すべきことを解説。
次に、低炭素社会の実現に向けた整備等に係る予算について、真野氏が「私立学校におけるエコキャンパス推進事業」を概説した。
続いて、沖縄大学の地域研究所の浜川智久仁主事(環境管理事務局)が、同大学の環境マネジメントシステム(EMS)、環境教育について発表するとともに、「美(ちゅ)ら沖縄・環境まちづくり」リーダー育成事業などにも言及した。
休憩をはさみ、エネルギー業界における省エネ事例として、まず、東京ガス(株)の大嶋智一学校法人担当統括部長が「ガスを利用した省エネ機器の大学導入事例」として、大学における空調の増容・IT化等に伴う電力の逼迫に対し、高効率機器のベストミックス支援プログラムを紹介した。
次に、東京電力(株)の堀 佐和子都市ソリューション第二グループ課長代理が「大学における最適なエネルギーシステム」を紹介。
同氏は、エコキャンパスの実現へ向けた低炭素社会構築のシナリオ、大学における効率的省エネ・省CO2領域、熱利用領域の実用的省エネ・省CO2技術(ヒートポンプ技術など)などを解説した。フロアからは「LED照明にした場合のコストパフォーマンスはどうか」の質問が出され、「長時間使用の場合なら意味がある」などと応えた。
最後に、事前に提出された質問を含めて、出席者への質問等に対する回答を慶應義塾大学病院の矢ノ目優工務課長・施設課長がコーディネーターとして取りまとめた。
このたびの企画準備は、私立大学環境保全協議会の協力のもとに進められた。