平成21年6月 第2362号(6月10日)
■政府
工学関連学部志願者は減少傾向
20年度「ものづくり白書」を閣議決定
政府は5月、「平成20年度ものづくり基盤技術の振興策」いわゆる「ものづくり白書」を閣議決定した。その中で、第四章ものづくりの基盤を支える学習の振興・研究開発を取り上げ、高等教育における取組の概要を掲載する。
(大学の現状)
ものづくりと関連が深い「工学関連学部」の設置数は、2008年度現在、国立76学部、公立20学部、私立158学部の計254学部である。また、工学関連学部には、40万4419人の学生が在学しており、入学定員の総数は8万7593人。2007年度における、工学関連学部への志願者数は53万3246人であり、1992年を境に、減少傾向にある。
工学関連学部卒業生の就職者と進学者の割合は、1999年を境に一定に推移。2007年度における卒業生9万5216人のうち、61%が就職しており、そのうち、機械・電気分野を始めとする専門的・技術的な職業への従事者が、全就職者の79%を占めている。業種別では、製造業に就職する者が、36%を占めている。
(高等専門学校の現状)
5月現在、国立55校、公立6校、私立3校の計64校で、5万6135人が在学。分野別では電気・電子系や機械系等の工業分野が1万555人となっている。
2007年度の卒業生の進路状況は、就職する者54.1%、大学等へ進学する者42.5%であり、就職希望者に対する求人倍率23.8倍と非常に高く、就職率は99.4%となっている。専門的・技術的な職業分野に技術者として就職する者が、全就職者として就職する者が、全就職者の92.3%となっている。
(インターンシップ)
2007年度のインターンシップ実施状況は、大学503校(前年度比1.9ポイント増)、短期大学170校(同3.0ポイント増)、高等専門学校61校(同1.6ポイント増)で、着実に増加しつつある。
(産学官連携の現状)
国公私立大学等における民間企業等との共同研究件数は1万6211件と、前年度に比べて1454件(10%)増加。また、国公私立大学等における受託研究件数は1万8525件と、前年度に比べて480件(3%)増加した。
(高等教育におけるものづくり教育)
大学では、地域や産業界と連携した実験・実習と講義の有機的な組み合わせによる教育プログラムの開発・実施などを推進。高等専門学校では、5年間一貫の実験・実習を重視した実践的・創造的な教育を実施するとともに、ロボコンなど様々な大会を通じて学生同士が切磋琢磨している。
専修学校では、工業などの様々な分野において、産業界等と連携した実践的な職業教育を実施している。