平成21年6月 第2361号(6月3日)
■私費負担軽減(大学)など意見交換
第2回 教育安心社会実現の懇談会
塩谷 立文部科学大臣は、6月1日、東京・霞が関の霞山会館で、「第2回教育安心社会の実現に関する懇談会」を開催した。
意見交換に先立って、塩谷大臣は「前回は、教育支援の重要性、高等教育の質の重要さなど大所高所から忌憚のないご意見をいただいた。経済状況の厳しい中、官邸でも安心社会の実現に向けた議論が行われている。今日は、政策を打ち出すための具体的な議論をお願いしたい」などと挨拶した。
教育費負担をめぐる課題と今後の方策としての論点について、文科省の事務方より説明が行われた。
家計負担の増大に伴い、安定財源を確保し、幼児教育無償化や高等教育段階の教育費負担軽減など、保護者の所得に左右されない教育機会の保障が必要である。そのため学校段階ごとの特性を踏まえ、具体的施策を検討することが求められる。
各学校段階別の現状と課題としては、幼児教育段階では、生涯にわたる人格形成及び基礎教育の基礎を培うことが重要であり、幼児教育無償化のほか、幼稚園就園奨励費補助などの施策が求められている。小学校・中学校段階では、義務教育であるため授業料や教科書は無償だが、要保護・準要保護者の就学援助などの施策が求められている。高校段階では、進学率98%に達する国民的教育機関となっており、授業料減免(全都道府県・各私立高校)や奨学金事業(全都道府県)などの施策が求められている。大学・大学院段階では、高度な教育研究で社会に貢献しており、私費負担が国際的にみて極めて高いこと、授業料滞納学生の増加、博士課程進学者減などが顕著であり、授業料減免(全国立大学、各私立大学)、日本学生支援機構の奨学金事業、給与型の経済的支援(TA、RA)などの施策が求められている。