平成21年5月 第2359号(5月20日)
■武蔵国府趾など14件
文化審議会が答申
「史跡」や「名勝」に指定
文化審議会(西原鈴子会長)はこのほど、史跡や名勝として14件を新たに指定、登録記念物に2件の登録について、塩谷 立文部科学相へ答申した。
史跡には、8世紀前半ごろの造営とみられる武蔵国府跡(東京都府中市)、明治時代に清温育(せいおんいく)と呼ばれる養蚕方法の開発・普及を行った高山社跡(群馬県藤岡市)、豊臣秀吉が宇治川の右岸に築造した宇治川太閤堤跡(京都府宇治市)などが含まれる。
名勝には、アイヌ民族の物語や伝承の舞台となり、九度山(クトゥンヌプリ)と黄金山(ピンネタイオルシペ)からなるピリカノカ(アイヌ語で「美しい・形」、北海道名寄市・石狩市)▽温泉の「地獄めぐり」で知られる別府の地獄(大分県別府市)などが入った。
その他に答申された史跡、名勝、登録記念物は次の通り。
【史跡】会津新宮城跡(福島県喜多方市)=中世における有力国人新宮氏の城館跡、▽増山城跡(富山県砺波市)=戦国期から織豊期に重要な役割を果たした中世山城、▽伊賀国庁跡(三重県伊賀市)=柘植川の段丘上に位置する古代伊賀国府の国庁跡、▽二子塚古墳(広島県福山市)=古墳時代後期の西日本では数少ない大規模前方後円墳、▽隈部氏館跡(熊本県山鹿市)=肥後国衆一揆の中心ともなった天草地域を代表する城、▽棚底城跡(同県天草市)=中世の天草地域を代表する城、▽宇江城(ぐすく)城跡(沖縄県久米島町)= 久米島支配のため築いたとされる城跡
【名勝】平城宮東院庭園(奈良市)=平城宮東南隈部で発見・修復された庭園、▽首里城書院・鎖之間(さすのま)庭園(那覇市)=岩盤とソテツ・マツを主景とする琉球庭園
【登録記念物(名勝地関係)】国立西洋美術館園地(東京都台東区)=仏の建築家、ル・コルビュジェが設計した美術館の前庭・園地、鶴舞公園(名古屋市)=洋風庭園と日本庭園を併せ持った総合公園