平成21年2月 第2346号(1月28日)
■挑戦する研究者伸ばすなど 文科省の新研究開発評価方針
科学技術・学術審議会は、このたび、「『文部科学省における研究及び開発に関する評価指針』の改訂について」を取りまとめ、文部科学大臣に建議した。この評価指針は文部科学省が行なう研究及び開発に関する評価のガイドラインだが、総合科学技術会議において新たな「国の研究開発評価に関する大綱的指針」が策定されたことから、同審議会により見直しが審議されていた。
大綱的指針を受けての見直しの六つのポイントは次の通り。
@優れた研究開発の成果を次の段階の研究開発に切れ目なく連続してつなげ、研究開発成果を国民・社会へ還元する、的確で実効ある評価を実施する。
A研究者及び研究開発機関の研究開発への積極・果敢な取組を促し、また、過重な評価作業負担を回避する、機能的で効率的な評価を実施する。
B国際競争力の強化や新たな知の創造などに資する成果の創出を促進するよう、世界的な視点から評価を実施する。
C新たな研究を見出し、発展させるとともに、人材育成面においても成果を生み出す研究開発活動を促すための評価を実施する。
D創造へ挑戦する研究者を励まし、優れた研究開発を見出し、伸ばし、育てる評価を実施する。
E評価の実効性を上げるため、必要な評価資源を確保し、評価支援体制を強化する。
また、大学等での学術研究への配慮事項として、▽専門家集団における学問的意義についての評価を基本とすること、▽長期的・文化的観点に立った評価が必要であること、▽萌芽的な研究の推進とともに、柔軟で多様な発想を生かし、育てるという視点であること、▽成果の事後的な評価だけでなく、研究者の意欲や活力、発展可能性を適切に評価すること、▽人文・社会科学では、個人の価値観が評価に反映される部分が大きい点に配慮すること、▽研究と教育の有機的関係へ配慮し、大学等の諸機能全体の適切な発展を目指すことが盛り込まれた。