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平成21年2月 第2346号(1月28日)

見よ!光り輝く大トロ グローバルCOE「養殖科学」シンポ

 脂ののった近大マグロ(R)はいかが―近畿大学(畑博行学長)は、去る十二月二十日、同大学において「グローバルCOEプログラム」採択記念国際シンポジウム「養殖科学の未来を拓く」を開催、近大マグロ(R)の試食会も行われ多くの参加者が来場した。
 「獲る漁業から育てる漁業に代わっていかなければならない」という理念を掲げ、世界で初めてクロマグロの養殖に成功したのは一九九七年。グローバルCOEでは、二〇〇二年の完全養殖技術を発展させ、コスト面等の課題を克服し量産化への道を拓く技術の確立を目指す。
 基調報告では、熊井英水同大学水産研究所教授が養殖技術のポイントを解説。浮上死と沈降死、共食い、衝突死等の課題を一つ一つ解決し、実に三二年の歳月を経て完全養殖が達成された。また、近大マグロ(R)は天然のクロマグロに比べ水銀含量が低いため、安全性も高い。最後に、「天然資源に手をつけずに全て人工で養殖を行なうことが夢」と語った。
 基調講演では、マグロと同じく養殖技術が望まれるウナギについて、塚本勝巳東京大学海洋研究所教授より、未だウナギの産卵現場は確認されていないが、最近の研究からマリアナ沖の海山にあること等が推定されていることを紹介した。
 記念講演では、リズワン・A・ラーマン・マレーシア国立サバ大学教授が、ボルネオ島やシパダン島のさんご礁の多様性とその保護について解説した。
 その後、試食会が行われ、参加者は脂ののった光り輝く刺身に舌鼓を打った。

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