平成21年2月 第2346号(1月28日)
■国際展開の戦略や課題 一橋大がシンポジウム開催
去る一月八日、一橋大学国際戦略本部は、同大において、シンポジウム「世界的大競争時代と一橋大学の国際展開」を開催した。
はじめに、「APUの国際戦略」と題して、モンテ・カセム立命館アジア太平洋大学学長(APU)が講演を行い、同大の特徴や三つの50(@50%の国際学生、A50%の外国人教員、B50ヶ国・地域対象の入学政策)の達成度や戦略等について述べた。国際学生受入の取組みとして、学生推薦提携協定締結高校からの推薦による受入や海外の事務所設置を行っている。最後に今後の課題として、財政基盤の確立、教職員の超過勤務対策、人的資源(学生・教職員)の獲得・育成、国際的質保証システムなどを挙げた。
続いて、「金融危機以後の大学国際化」と題して、米澤彰純東北大学高等教育開発推進センター准教授が登壇。非英語圏の英語化への取組みが進む中で、日本では外国語による授業(全コマ数に締める割合が一〇%以上)の実施状況が、学部で一八・五%、修士九・五%である現状等を示したほか、多国籍コミュニティで活躍できる人材教育へシフトしていくことが求められると述べた。
最後に、一橋大学国際戦略本部の服部 誠総括ディレクターが、同大における国際戦略の展望と課題について述べた。同大では、国際的な評価や位置取りを分析した上で、国際戦略構想を策定、詳細なアクションプランに沿って実施・評価等を行っている。
講演終了後に行われたパネルディスカッションでは、世界標準の大学としてのプレゼンスを高めるための課題として、「産学官が協力し、プロフェッショナルな留学生担当者を育成していかなくてはいけない」といった意見が出された。