平成21年1月 第2345号(1月21日)
■戦略的大学連携支援事業
「口腔医学」の確立に向け医科歯科系8大学が連携
歯科医療における疾病構造の変化と高齢社会の到来によって、これまでの歯とその周囲組織の疾患を治療する歯科医から、全身の健康に留意し、歯・歯周組織・口腔の疾患の予防・治療・ケアのできる口腔医になることが歯科医師に求められている。
このような社会ニーズに対応するため、福岡歯科大学は医学部及び歯学部を持つ福岡大学、九州歯科大学、昭和大学、鶴見大学、神奈川歯科大学、岩手医科大学及び北海道医療大学の全国七大学と連携し、このたび「口腔医学の確立と医学・歯学教育体制の再考」をテーマに文科省の助成を得て戦略的大学連携支援事業を開始した。
同事業は、歯とその周囲組織に集中し、技術教育を重視した現在の歯科医学教育を再考し、生命科学と充実した一般医科教育を基盤とした口腔医学教育によって歯科医師の養成を図ろうとするもの。併せて、歯科医師養成教育が医師養成教育と独立して行われていることによって生じている医学教育における口腔疾患教育の欠落をなくし、全身の健康に留意できる歯科医師と口腔ケアに対する意識の高い医師の連携によって、これからの社会で必要とされる患者さん中心の医療を共同して実践できる体制を作ることを目標としている。
そのため、同事業では口腔医学教育を実践するモデルカリキュラムを提案し、連携校がそれぞれの特徴を生かして次世代が求める歯科医師と医師の教育改革を目指している。