Home日本私立大学協会私学高等教育研究所教育学術新聞加盟大学専用サイト
教育学術オンライン

平成21年1月 第2344号(1月14日)

『学士課程教育』『高専教育』を答申 キャリア教育・職業教育で諮問

 中央教育審議会は、昨年十二月二十四日開催の第六七回総会において、「学士課程教育の構築に向けて」及び「高等専門学校教育の充実について」の答申を塩谷 立文部科学大臣に手渡した。また、同大臣から「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」の諮問が出され、併せて、その検討に当って「キャリア教育・職業教育特別部会」を新たに設置することになった。
 「学士課程教育の構築に向けて」の答申(案)については、安西祐一郎大学分科会長が、平成十七年の“将来像答申”に早急に取り組むべき重点施策として、「入学者選抜・教育課程の改善、出口管理の強化」、「教養教育や専門教育等の総合的な充実」等、学士課程教育の充実が提言されていたことから、国際化の流れや質保証システム等の観点も踏まえつつ、答申を取りまとめたことを述べた。
 また、文科省の徳永 保高等教育局長が、これまでの審議経過と答申案の概要(別掲)を説明し了承された。(答申の全文は3面〜7面に掲載)
 「高等専門学校教育の充実について〜ものづくり技術力の継承・発展とイノベーションの創出を目指して〜」の答申(案)も原案どおり了承された(概要は2面)。
 併せて、近年の社会構造の大きな変化の中で、教育現場には社会人、職業人として自立した人材の育成が強く求められていること、さらに、教育振興基本計画に「キャリア教育・職業教育の推進」が重点事項として挙げられていることなどから、「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」の審議を塩谷大臣が諮問した。

答申の概要

 (1)学位授与の方針
 ▽大学は卒業に当たっての学位授与の方針を具体化・明確化し積極的に公開
 ▽国は学士力に関し、参考指針を提示
 【学士力に関する主な内容】@知識・理解(文化、社会、自然など)、A汎用的技能(コミュニケーションスキル、数量的スキル、問題解決能力など)、B態度・志向性(自己管理力、チームワーク、倫理観、社会的責任など)、C総合的な学習経験と創造的思考力
 (2)教育課程編成・実施方針
 ▽順次性のある体系的な教育課程を編成
 ▽国は分野別のコア・カリキュラム作成を支援
 ▽学生の学習時間の実態を把握した上で、単位制度を実質化
 ▽成績評価基準を策定し、GPA等の客観的な評価基準を適用
 (3)入学者受入れ方針
 ▽大学は、大学と受験生のマッチングの観点から、入学者受入れ方針を明確化
 ▽入試方法を点検し、適切な見直し
 ▽初年次教育の充実や高大連携を推進
 (4)その他
 ▽教員、大学職員への研修の活性化と教員業績評価での教育面の重視
 ▽自己点検・評価の確実な実施、分野別質保証の枠組みづくりのため日本学術会議への審議依頼等の質保証の仕組み強化
 ▽財政支援の強化と説明責任の徹底

Page Top