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平成21年1月 第2343号(1月1日)

財政安定と定員確保を

 日本私立大学協会副会長/千葉商科大学理事長 原田嘉中

 新年明けましておめでとうございます。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
 会員の皆様方におかれましては、新たな決意のもと、ご家族共々めでたく新年を迎えられたことと存じ、先ずはお慶び申し上げます。
 昨年十月に、大阪で恒例の本協会秋季総会が開催されましたが、加盟大学も三六二法人、三八五校を数えるに至り、まさに最大の大学団体へと発展を遂げております。それだけに、会員の皆様方の本協会に対する期待と要望は極めて大きく、その責任は、甚大であると存じます。
 さて、皆様方もご承知の通り、最近では、少子高齢化の影響がますます増大し、入学志願者の減少等に伴う定員割れの大学は四〇%を超えるという、かつての炭鉱事業や造船産業が陥ったような、いわゆる構造不況というものが大学にも押し寄せつつあると申し上げても過言ではないと認識しております。
 それに加えて、折りも折り、アメリカのサブプライムローン問題に端を発した金融危機は、当のアメリカは申すに及ばず、欧州から我が国を含むアジア諸国まで全世界に飛び火して、経済大恐慌を巻き起こさんとする深刻な状況を生み出しております。
 私どもは、今後これらの危機を克服し、生き残りを図るためには一体どうすればよいのでしょうか。
 私は、機会ある毎に申し述べてまいりましたが、それには、まず各学園が財政の安定を図り、受験生に選ばれる教育実績を積み上げ、定員を確保することが非常に重要であると思っております。
 また、そのためには、改めて建学の精神に基づいた教育・研究の充実と、教員の業績評価に基づく意識改革はもちろんのこと、職員の資質向上等、大学の活性化及び改革を積極的に推し進め、国立大学の現状だけでなく、私立大学の入学志願動向や収入増加方策、支出の効率化等、経営改善方策も十分に研究し、迅速な対応をしていかなければならないのであります。
 このほかにも、私たちを取り巻く課題は山積しておりますが、どうぞ、会員の皆様方におかれましては、各大学が新しい時代の知の発信拠点として、社会の要請に応えられるよう一層のご活躍を祈念申し上げます。
 本年も何卒ご指導、ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。

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