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平成20年12月 第2342号(12月17日)

人材養成強化など計画 周産期医療の実態調査受け

 文部科学省は、周産期医療体制等が大きな社会問題になっていることから、大学病院における現状について調査を行った。医学部を有する国公私立大学病院のうち、周産期医療を行なう一一三病院の調査結果を公表した。
 周産期とは、妊娠満二二週から出生後満七日未満をいう。
 調査によると、新生児集中治療室を設置している私立大学病院は二七病院(全私立大学病院(本院)のうち九三・一%)、母体・胎児集中治療管理室は一四病院(同四八・三%)、継続保育室は二五病院(同八六・二%)であった。調査時点で周産期医療にかかる病床を新たに設置又は、拡充する予定の私立大学病院は、一七病院(同五八・六%)であった。これらの大学病院では、「産科医・新生児科医等の人材確保が難しい」、「財政面で難しい」などの課題が挙げられた。
 各病床を設置する国公私立大学病院の一病院当たりの平均病床数は、新生児集中治療室で九・一床、母体・胎児集中治療管理室で七・六床、継続保育室で一三・四床であった。
 周産期医療に従事する一病院あたりの医師の平均勤務者数は、小児科系一一・〇人、産婦人科系一五・二名であった。また、小児科系・産婦人科系あわせた看護職の平均人数は五九・六人であった。
 周産期医療に従事する医師の診療時間内及び診療時間外の一病院当たりの平均人数は、診療時間内は、小児科系六・六%、産婦人科系八・三名、診療時間外は、小児科系・産婦人科系合わせて二・五人であった。
 こうした現状を受けて、同省ではただちに「大学病院の周産期医療体制整備計画」を策定。(1)国立大学病院の周産期医療体制整備計画(四か年計画)、(2)国公私立大学病院の周産期医療に関する人材養成等の強化の二つの方針が計画された。
 (2)の具体的な対応策として、@周産期医療を志す若手医師の教育環境の整備を図ると共に、小児科・産科等の女性医師の復帰支援を行なう、A院内助産所などを活用した助産師養成環境を整備し、産科医の負担軽減を図ることとした。

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