平成20年11月 第2339号(11月19日)
■短大の経営戦略は"個性創出" トップセミナー(短大の部)開く
(財)私学研修福祉会(理事長=廣川利男東京電機大学学事顧問)は、去る十一月七日に、東京・市ヶ谷のアルカディア市ヶ谷において、第三一回私立大学の教育・研究充実に関する研究会(短期大学の部)を開催した。「変わる高等教育と短期大学の機能」をテーマに、一○四短期大学から一四二名が参加し、短期大学の機能・役割を協議した。
開会に当たって、廣川理事長が「短期大学だからこそできる、というような地域に密着した特色化を図り、社会に期待を持ってもらえるような短期大学教育の在り方を討議するとともに、情報交換を深めていただきたい」などと挨拶した。続いて、同研究会の運営委員長である森脇道子自由が丘産能短期大学学長が「短大がこれからどうあるべきか協議し、諸課題解決に向け一定の方向性をもって踏ん張っていく」と挨拶し、プログラムの概要を説明した。
午前中は「高等教育政策と短期大学の機能(役割)を考える」と題して、文科省高等教育局私学部長の河村潤子氏が講演した。私学経営戦略として個性創出を目指し、“大学の個性化”が進められる中で、短大はどのような機能を果たすのか。今後、女性リーダーの創出が必要とされ、人材育成の面において短大の担う役割というものがある、と述べた。全体的には、@大学を取り巻く状況、A教育の質の保証、B高等教育財政の現状と課題、といった高等教育政策面から要点を解説。平成二十一年度概算要求(私学助成関係)の概要として「私立大学等経常費補助の充実」を挙げ、教育の質向上、地域活性化、国際化等への支援を行うことを述べた。経常費補助金については、平成十九年度の特別補助のゾーン選択において、短大の七割以上が「地域社会のニーズに応える教育の推進」を選択していることを示した。
昼食休憩の後、テーマ別分科会が開かれ、四つのテーマに分かれて各々協議を行った。
同研究会の締めくくりとして、シンポジウム「変わる高等教育と短期大学の機能」が開催された。コーディネーターは文京学院短期大学理事長・学長の島田Y子氏、講師・パネリストには、文科省高等教育局大学振興課長の義本博司氏、日本私立学校振興・共済事業団私学経営情報センター長の西井泰彦氏、山形短期大学副学長の小関 賢氏らが登壇した。