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平成20年11月 第2338号(11月12日)

専修学校「1条校」化など協議 高等教育改革委

 日本私立大学団体連合会は、去る十月二十一日、第二回高等教育改革委員会(委員長=黒田壽二金沢工業大学学園長・総長)を開き、専修学校の今後の在り方、中長期的な大学教育の在り方、大学設置基準の改正などについて議論した。
 専修学校については、専修学校の振興に関する検討会議が取りまとめた「社会環境の変化を踏まえた専修学校の今後のあり方について」(案)の説明を文科省生涯学習政策局生涯学習推進課の高橋雅之専修学校教育振興室長から聞いた上で、多くの意見が出された。
 議論の中で、特に職業教育を専ら目的とする「一条校」をめざす新たな学校種の創設については、キャリア形成支援の教育を充実させるのか、あるいは、職業を意識した教育に重点を置いて再構築を図るのかが大きな論点となった。
 今後、より総合的な視点から検討を深めることが求められるとし、「中教審等での審議に委ねてはどうか」との意見も出された。
 次に、中教審諮問の「中長期的な大学教育の在り方について」は、同省高等教育局大学振興課の今泉柔剛大学改革推進室長が概要を説明し、多くの論点について議論した。
 “多様なニーズに対応する大学制度及び教育”では、「学位プログラム」を中心とする大学制度及びその教育の再構築についてどのような学内組織で対応するのか、設置基準との関係はどうなるのか、また、質保証については、七年に一度の評価でよいのか、さらに、単位の算定方式として一単位四五時間が、予習・復習を含めてきちんと運用することが可能なのかなど多様な意見が出された。
 “グローバル化の進展の中での大学教育”では、国際化の関連で「留学生三〇万人計画」も位置づけられているが、そのためには、留学生の生活の根底である宿舎の問題が特に重要だが、抜本的な対策が必要ではないかといった議論があった。
 “人口減少期の大学全体の発展”では、量的規模の問題など多くの私学に関わる重要なテーマがあり、教育振興基本計画や道州制の議論、さらに大学分科会等の議論等も視野に検討していくことになった。
 なお、平成二十二年四月からの共同学科・学部等の開設に向けての教育課程の共同実施制度についての意見交換も行われた。

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