平成20年11月 第2337号（11月5日）
■適正な毒物の保管管理を
東大農場で不適切管理 文科省が大学等に通知
東京大学大学院農学生命科学研究科附属農場で、毒物及び劇物の保管管理が適切になされていなかった問題で、文部科学省はこのほど、大学等に毒物及び劇物の適正な保管管理の徹底の通知を行った。
通知は、大学や高等専門学校等に文部科学省高等教育局長名で行われた。
毒物及び劇物（以下「毒物劇物」という。）の取扱いについては、従来、「毒物及び劇物の保管管理について」（昭和五十二年三月二十六日、厚生省薬務局長通知）等により、厚生労働省から都道府県知事等を通じて関係者に指導が行われてきた。
文部科学省でも、「毒物及び劇物の適正な管理について」（平成十年七月三十一日付、文部省高等教育局長・学術国際局長・会計課長通知）等により、各大学長等に対し毒物劇物の保管管理の徹底等を図ってきた。
しかし、今回、大学の附属農場で、①毒物劇物の保管管理が適切になされていなかったこと、②特定毒物であるパラチオンを都道府県知事の許可を得ずに所持していたこと、③毒物たる農薬の残液が不適切に廃棄されていたことなどの事実が明らかになった。
毒物劇物に関し十分な知見を有すべき大学で、こうした事実が確認されたことは極めて遺憾な事態。大学等で保管管理される毒物劇物は、より一層厳重な取扱いを行うことが必要になる。
文科省は「厚生労働省医薬食品局長より通知があった。各機関においては、関係教職員、学生等に周知徹底し、対応に遺漏のないよう対処してほしい」と話している。
