平成20年10月 第2336号(10月22日)
■協調と競争で共生モットーに 九州支部秋季総会を開催
日本私立大学協会の九州支部は、去る十月七日、大分県の杉乃井ホテルにおいて、別府大学の当番校のもと、平成二十年度秋季総会を開催した。同支部の四四大学から三九大学五九名の代表者らが出席。九州支部主催の研修会等についての報告のほか、金沢工業大学の黒田壽二学園長・総長の講演が行われた。
はじめに中村量一支部長が「九州支部においては「協調と競争で共生する」をモットーとし、会員各校がユニバーサルアクセス時代に対応した質の高い大学教育を実現していただきたい」と挨拶した。続いて、当番大学の別府大学の西村駿一理事長から歓迎の挨拶があった。
協議では、平成二十一年度同支部春季総会を次期当番校、久留米工業大学のもと五月十九日に久留米萃香園ホテルにおいて開催することが決まった。
また、報告事項として、九州支部新規会員校である西九州大学(福元裕二理事長・学長)が紹介されたほか、去る九月四日と五日の両日に行われた同支部主催の事務研修会および十九日に行われた事務局長会議について、研修内容などが報告された。
その後、「『学士課程教育の構築に向けて』の概括と九州地区私立大学の戦略」と題して、金沢工業大学の黒田壽二学園長・総長が講演を行った。
地方私立大学の在り方として、@大学の進むべき方向性(建学の精神・理念を再確認し教学に反映、立地条件の分析、地域との係わりを分析、学習成果の特徴・特異性を定める)、A進学者の流れを分析(県域の流入流出を分析、理に適った募集域を定める、留学生受入の指針を定める)、B魅力ある広報活動(大学の個性化・特色化などをアピールする、卒業生・同窓会の組織強化を図る)が重要であると述べた。
平成二十年度の九州地区の入学定員充足率は、九九・一七%。昨年度に比べ約一%の減少率であった。日本私立学校振興・共済事業団などの資料を交えながらの黒田氏の講演に参加者は熱心に耳を傾けた。
講演の最後に黒田氏は、「トップのマネジメント力とマーケティング力で大学が変わる。ベクトルを合わせ大学の活性化を」と力強く語った。
続いて、同協会の小出秀文事務局長が、高等教育の現状と同協会の活動状況報告を行い、平成二十一年度私立大学関係政府予算・税制改正対策などについて述べた。
総会終了後に催された懇親会では、ゆふいん源流太鼓による迫力ある太鼓演奏が披露され、会場は熱気にあふれた。