平成20年10月 第2336号(10月22日)
■日本学術会議との連携図り分野別・規模別等の分析へ
質保証アンケート中間集計
日本私立大学団体連合会(以下、私大団連)は、去る八日、東京・市ヶ谷の私学会館別館の会議室で、平成二十年度第二回質保証の共同作業部会(部会長=白井克彦早稲田大学総長)を開いた。
私大団連では、学士課程教育の構築を目指して「質の向上」を図ることを目的に、現在、日本私立大学協会、日本私立大学連盟、日本私立大学振興協会の構成三団体による共通アンケートを実施中であり、その経過報告及び今後の進め方について協議した。
はじめに白井部会長から「中教審が日本学術会議に分野別質保証の審議を依頼しており、同会議では学士課程教育における教養教育・専門教育(専門基礎教育)それぞれの在り方の検討、学習成果、到達目標、コア・カリキュラム等の持つ意義や留意点の整理等、各分野ごとの審議の基本方針が議論されている。今日は、同会議の『大学教育の分野別質保証の在り方検討委員会』での検討状況について、北原和夫委員長(国際基督教大学教養学部教授)、祖敏明副委員長(上智学院理事長)、事務局の廣田英樹参事官の三人をゲストに招き、お話を伺うとともに我々委員の共通理解を図りたい」との挨拶があった。
報告・意見交換では、ゲストから「日本の将来を考えながら、グランドデザインを見定めつつ、分野ごとの問題を検討していきたい。様々な意見に耳を傾け、国民的議論の中で進めていきたい」との考えが示された。
私大団連は、今後とも同会議と意見交換をするなど連携を図っていくことになった。
研究・協議に移り、三団体の共通アンケートの進捗状況が報告された。回収率については、私大協会八〇・九%(十月六日現在)、私大連盟九三・五%(十月一日現在)、振興協会八三・三%(十月六日現在)であり、記述式回答部分において「入学者選抜に関する問題」、「教育課程実践上の改善点」、「質保証のための教育効果の測定とPDCAサイクルの活性化」など、多岐にわたる回答が予測されることなど、中間報告へ向けての重要ポイントが協議された。
今後は、各団体の集計結果を基に、十二月初旬の中間報告に向けてアンケートを取りまとめていくことになった。
全私学の総意による「質保証のプログラム」の根幹を作り上げるために、同作業部会の成果が大いに期待されている。