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平成20年10月 第2334号(10月8日)

個別マーケティングの時代
  フォックス准教授が講演

 大学経営戦略研究所(代表:船戸高樹桜美林大学大学院教授)は、去る九月十五日、東京・神田の文化学院において、米国の大学経営戦略セミナーを開催した。
 講師は、サンタクララ大学のカレン・フォックス准教授。マーケティング分野で著名なフィリップ・コトラー博士の弟子で、専門は教育機関のマーケティング。米国大学マーケティングとエンロールメント・マネジメントについて講演した。
 フォックス准教授は、まず、マーケティングの役割を論じた。大学の資源を利用して期待される価値を高め、ミッションを果たし、生き残ること全てに関わるプロセスである。
 マーケティングは企業の手法と考えられがちだが、教育機関も社会ニーズに基づいた価値を提供するには、そのニーズを把握し、透明性を確保しなければならない。マーケティングはそのツールである。
 しかし、学生が何を求めているかを知ることは難しい。米国では、ビジネス界がメンバーを務めるアドバイザーグループを設置しているなどと述べた。
 また、エンロールメント・マネジメントも事例を交えながら解説した。
 入学前から卒業後も大学と卒業者の関係は続く。エンロールメント・マネジメントはつまり、学生に生涯を通じてロイヤリティを感じてもらうことである。
 ところが、多くの大学では、入学させることがエンロールと考えてしまいがち。卒業後に給料の一部を大学に寄付しようという気持ちにさせる関係付けを行わなければ、エンロールメント・マネジメントではないと強調した。
 また、これからはITを駆使した一対一の対話や双方向性など、一人ひとりに応じた丁寧な個別対応が重要になる。学生は一人ひとりが、自分に見合った価値を得て、それに見合うお金を支払う「個別コスト」に向かうだろう、などと今後のトレンドを予見した。

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