Home日本私立大学協会私学高等教育研究所教育学術新聞加盟大学専用サイト
教育学術オンライン

平成20年10月 第2334号(10月8日)

eラーニングで白井早大総長招く
  私大基本研と教育学術充実研が合同会議開く

日本私立大学協会(大沼淳会長)は、去る九月三十日、アルカディア市ヶ谷において、平成二十年度第二回私立大学基本問題研究委員会・教育学術充実研究委員会合同会議を開催した。
 はじめに教育学術充実研究委員会担当理事の中原爽日本歯科大学理事から挨拶があった。大学経営の効率化モデルについて考えるという企画意図により、「教育の質保証とeラーニング」をテーマに、早稲田大学の講師陣が講演し、その後に同協会両委員会委員を交えて意見が交わされた。
 まず、白井克彦早大総長が「教育の質保証のための教育改革に向けて―競争から共生へ」と題して、現在、分野別の審議が始まっている大学の質保証について、「世界均一基準の必要性はない」として、「各地域に見合った質の保証こそが肝要であり、到達目標・役割の違いを認識することが私大の取るべき道である」などと述べた。
 私立大学基本問題研究委員会担当理事・委員長の黒田壽二金沢工業大学学園長・総長が挨拶を述べた後に、高木直二早稲田大学理事が「大学経営の効率化を目指したオンデマンド授業の普及とFOLCの展望」と題して、同大で取り組んでいるオンデマンド授業について紹介した。いわゆるeラーニングで、インターネットを利用し講義等を配信、BBS(掲示板)が設けられており、教員と学生のコミュニケーションが可能。また、教育コーチ(TA)を配置しサポートも行っている。
 さらに、連携する形でNPO法人オンデマンド授業流通フォーラム(FOLC)等の活動を紹介した。
 大学経営の効率化に向けてのオンデマンド授業の普及ということで、設置基準上は六○単位をオンデマンドで履修可能なこと、オンデマンドは教室がいらないこと、カリキュラムの柔軟化を促し教員数の調整が容易になること等の利点を挙げて締めくくった。
 研究・協議事項では、「学士課程教育の『質の向上』に関わるアンケート」を行っていること、中教審への諮問「中長期的な大学教育の在り方について」に対する協会からの意見具申についてなどが協議された。

Page Top