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平成20年10月 第2333号(10月1日)

新たに110件の建造物選ぶ 文化審議会登録有形文化財に答申

 文化庁の文化審議会(石澤良昭会長)は、九月二十六日に同審議会文化財分科会を開催した。ここでの審議・議決を経て、新たに一一〇件の建造物を登録するよう文部科学大臣に答申を行った。
 登録有形文化財登録基準は、建築物、土木構造物及びその他の工作物(重要文化財及び文化財保護法第一八二条第二項に規定する指定を地方公共団体が行っているものを除く)のうち、原則として建設後五〇年を経過し、かつ、次の各号に該当するもの。
 (1)国土の歴史的景観に寄与しているもの
 (2)造形の規範となっているもの
 (3)再現することが容易でないもの
 左上表は登録有形文化財(建造物)の概要、主な事例一覧。
 ◇主な登録有形文化財(建造物)事例
 ○ヴォーリズによる教会堂建築の好例
 日本福音ルーテル市川教会会堂 千葉県市川市
 ヴォーリズ建築事務所による設計の木造教会堂。南北棟の切妻造の礼拝堂と、その東面南寄りに建つ四階建の鐘楼からなる。平滑な白色の外壁に、正面や鐘楼上部丸窓、身廊側面に半円アーチ窓を開ける。ヴォーリズの作風の一端を伝えている。
 ○旧小浜藩士の風格ある住宅建築
 旧山川家住宅(山川登美子記念館)主屋ほか 福井県小浜市
 主屋は、緩い起りの切妻造妻入、木造平屋建で、背面側西半部を二階建とする。正面南寄りに入母屋造式台、北側は庇を設け、南面前寄りに入母屋造の座敷を付ける。
 妻面には束や貫を現し、風格ある正面構えとする。土蔵や表門など四件も併せて登録する。
 ○名古屋の陶磁器業発展のシンボル
 名古屋陶磁器会館 愛知県名古屋市
 名古屋城の約二Km東方に位置する事務所建築。昭和七年の建築。当初は鉄筋コンクリート造三階建で、外観にはスクラッチタイル、階段室にはモザイクタイルを貼り、幾何学的なモチーフを随所にあしらっている。名古屋における陶磁器業発展のシンボルとして親しまれている。

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