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平成20年10月 第2333号(10月1日)

大学行政管理学会 教育改革まず職員から
  第12回定期総会・研究集会を開催

 大学行政管理学会(横田利久会長)は、去る九月六日・七日、日本大学法学部三崎町キャンパスにおいて、第一二回定期総会・研究集会を開催した。
 一日目には、定期総会の後、第三回孫福賞授賞式があり、関西学院大学の澤谷敏行氏が受賞。日中の大学行政管理の比較、新しい職員像の研究を行うなど、実務者に対して大きな影響と刺激を与えたことなどが選考の理由であった。
 続いて、有川 博日本大学総合科学研究所教授から、「会計検査報告から見た大学行政執行における問題点」と題した講演があった。私立、国立の会計検査をもとに、過去の事例を詳細に報告した。
 「職員の能力向上が生き残りのカギ」。
 二日目のシンポジウムにおいて、結城章夫山形大学学長がトップの立場から職員の重要性を指摘すると、黒田壽二金沢工業大学学園長・総長は、「教員の弱点を補う組織的な取組ができるアドミニストレーターの養成が求められる」と同学会への期待を述べた。
 安岡高志立命館大学教授は、様々な組織のビジョンを紹介すると共に明確な目標設定の大切さを訴え、「労力の伴わない教育改革はあり得ない」とピシャリと断じた。最後に、福島一政日本福祉大学常務理事は、(職員個人ではなく)職員集団が自律的・組織的に能力開発に取り組むことの重要性を論じ、同学会自体がSDの場であるなどと述べた。
 フロアからの質疑応答の後、黒田学園長から「大学を楽しく運営すること。一人ひとりが仕事を楽しもう」と呼びかけると、安岡教授も「職員としての誇りを持って」、福島常務理事からは「良いと思ったらすぐに実行。職員が変わらなければ、大学は変わらない」などと次々とメッセージを投げかけた。
 四三〇名もの会員が全国から集結。二日間にわたり、ワークショップ、懇親会、三〇を超える研究発表を通して、日常業務の課題や成果について情報共有を行い、議論を交わした。
 同学会については、「改革担う大学職員―大学行政管理学会の挑戦」と題して、毎月一回、当紙面(3面)で活動を紹介している。

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