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平成20年10月 第2333号(10月1日)

九州支部事務研修会を開催 真のアドミニストレーターを目指して

去る九月四日と五日の両日、日本私立大学協会の九州支部(支部長=中村量一中村学園大学理事長)は、第一〇回九州支部事務研修会を、九州産業大学、九州共立大学、九州栄養福祉大学の当番校のもと、福岡ガーデンパレスにおいて開催した。同研修会には、同支部加盟校から三七大学七一名が参加した。

 開会に先立ち、(学)東筑紫学園の宇城照燿理事長が「私立大学の四七・一%が定員割れとなっており、大学の二極化が進んでいる。この厳しい時代に大学の運営・企画にあたる職員の力は不可欠であり、大学職員の意識改革と質の向上が求められている。有意義な研修会となることを願っている」と挨拶を述べた。
 一日目は、「真のアドミニストレーターを目指して」をメインテーマとして、三氏の講演が行われた。
 まず、はじめに日本私立大学協会の小出秀文事務局長が「私学振興上の当面する重要課題―百花繚乱の私学が拓く新時代」と題して、高等教育の展開と背景的課題、当面する重要課題などについて講演を行った。
 続いて、「競争的環境での私学経営の課題について」と題して、日本私立学校振興・共済事業団の西井泰彦私学経営情報センター長が講演を行い、地域ごとの入学志願状況等を説明し、定員割れからの回復は非常に困難であることを示した。また、私立大学の課題として、経営者・教学トップだけでなく、役職員全体の自覚と協働が必要であること、時代や社会のニーズに対応した教育内容、制度等の点検と改善等について述べた。
 休憩をはさみ、文部科学省高等教育局私学部の馬場剛参事官付企画官が「競争的補助金、新GP等について」と題する講演を行った。レジュメに沿い、私学の状況、一八歳人口及び高等教育機関への入学者数・進学率の推移、私立大・短大の学校数・学生数及び入学定員充足率などについて、詳細な説明があり、とりわけ「教育振興基本計画」「経済財政改革の基本方針二〇〇八」「私大の経常費に対する補助費」等に重点をおいた解説がなされた。
 多くの参加者が財政面での将来計画や政策動向に関心を寄せる中、平成二十一年度概算要求に係る補助金予算の増額要求、大学教育改革支援の充実のための支援プログラムの新規増設要求などの解説は、意義深いものとなった。
 講演終了後に催された懇親会では、情報交換や意見交換が行われ、有意義な会となった。
 二日目は、事例発表として、中村学園大学の辻原陽一学事課長が、「大学における認証評価への対応について」と題する発表を行った。平成五年に同大が設置した自己点検・評価委員会をはじめ、申請準備や書面審査、等の流れを紹介したほか、実地視察の際の学内業務分担等、具体的な詳細について発表した。
 また、各大学における第三者評価の取組として、南九州大学の丹澤正人理事・事務局長より「大学における認証評価への対応について」の事例発表があった。評価受審のポイントとして、自己評価報告書は、ステークホルダーを対象に、読みやすくわかりやすい記述を心がける、実地調査では、大学認証評価制度の原点に立ち返っての対応が大切であることなどが紹介された。
 最後に、九州栄養福祉大学の渡辺浩久事務部長は「この度の研修会が、日常業務あるいは自己研鑽に役立つことを願っている」と閉会の挨拶で述べた。

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