平成20年9月 第2332号(9月24日)
■物理の指導が苦手31% 「理科教師実態調査」
科学技術振興機構(JST)(北澤宏一理事長)と国立教育政策研究所(NIER)(近藤信司所長)は、「平成二十年度中学校理科教師実態調査」の集計結果(速報)を公表した。
生徒による観察や実験を週一回以上実施しているという回答が六四%である一方で、理科教員の約七〇%が準備や片付けの時間の不足を、約六〇%が設備備品の不足が観察や実験を行う上での障害となっていると回答している。
なお理科の設備備品費は、生徒一人当たりの全国平均で年間約四五三円、消耗品費は、同平均で約三四一円となっている。
また、理科教員の約三一%が物理の内容指導を「やや苦手」か「苦手」と感じており、苦手意識は、教員経験が短い教員に高い傾向がある。地学においては、四四%の教員が「やや苦手」か「苦手」を感じており、苦手意識は教職年数が進んでも高い傾向が続く。
研修や研究目的で、月に一〜数回程度以上、自分の理科の授業が参観されることがある教員は約八%、他校の教員と会合することがある教員は約一四%、理科の教材や指導法で困ったときにサポートしてくれる場が学校外にない教員は約五二%であった。
今後の支援策で、情報入手の機会が拡大できることに大いに期待するという理科教員の割合は、「すぐに使える優れた教材情報」が約六一%と最も高く、「優れた指導法に関する情報」と「インターネット」がともに約五五%、「身近に理科教育をサポートしてくれる場の設置や充実」が約四二%、「図書館や手持ちの書籍・雑誌」が約三九%と続く。