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平成20年9月 第2332号(9月24日)

東北支部事務研修会を開催 環境問題への取組討議

 日本私立大学協会東北支部(支部長=高柳元明東北薬科大学理事長・学長)は、去る八月二十八日と二十九日の両日、いわき市のいわきワシントンホテル椿山荘において、「平成二十年度 日本私立大学協会東北支部事務研修会」を、当番大学の東日本国際大学(田久昌次郎理事長・石井英朗学長)の協力を得て開催した。同研修会では、「環境問題に対する各大学の取り組みについて」を共通テーマとした分科会等が行われ、同支部加盟二一大学から七三名が参加した。

 開会式では、同支部の高柳支部長に代わり、黒田英雄運営委員長(東北薬科大学大学事務局長)が、「大学の活動の中心は、教育・研究であり、教員が主体となるのはもちろんのこと、これからは事務職員の関わり方が重要になってくると思います。事務職員は、縁の下の力持ちとしての役割だけでなく、支援から教員とのパートナーシップ、あるいは共創に変わってきていると考えます。日々の仕事を的確に遂行することと同時に、自分の能力を高めるということが求められてくる時代でもあります」と挨拶を述べた。
 次いで、当番大学の東日本国際大学の田久理事長が、「いわき市も少子高齢化が進んでおり、他の地域同様に厳しい状況の中で大学運営を迫られていますが、地方にある大学は地方とともにあらねばならないと考えます。地方を元気にすることが大学の役割でもあります。本研修会が東北地区に元気をもたらすような、また地方の大学は頑張っているということを示せるような研修会になることを期待しています」と歓迎の挨拶を述べた。
 その後、同大学の石井学長が「東北支部に加盟されている大学は、それほどキャパシティの大きな大学ではなく、それぞれ味のある、また地域に根ざした個性のある大学によって構成されていると思います。規模にかかわらず面倒見のよい大学は必ず生き残り、時代の要請に応えて発展していくものと考えます。東北地区の大学は、まさに面倒見のよい大学のモデルケースとして発展されていくと思います」と期待を述べた。
 初日の全体会では、東日本国際大学情報経済学部の水田 健学部長が、「大学改革の現状について」と題した特別講演を行い、同大学の大学改革への取り組みとして、退学率一%と就職率一〇〇%を達成した事例を解説した。同大は”退学率の低さ=大学に対する満足度の高さ”と捉え、一年次からの少人数制ゼミの開催、生活指導、学習支援、就職支援等、大学をあげて努力し、結果として、六〜七%台であった退学率が一%台まで減少したという。また、ユニバーシティ・アイデンティティを重視し、社会に認められ、学生が学びたい大学となるよう、まずは地域ブランドを確立すべく教育力と就職力の向上、さらに地域貢献に努めている。
 水田学部長は、そのほか、FD担当部署の一元化、学生による授業評価、教員同士の相互授業訪問、授業研究会の実施、ゼミ単位でのキャリア教育・指導、各種セミナーの実施、OB・OGネットワークの強化、サテライトキャンパスの推進、市民講座の開講、開放授業・出前講座の充実、高大連携、連携高校の拡充などを紹介し、「これらの活動が、最終的には、地域の中での大学のブランド向上につながり、学生に選ばれる大学になっていくと考えている」と力を込めた。
 その後行われた次の四つの分科会では、共通テーマ「環境問題に対する各大学の取り組みについて」に基づき、研究協議課題が設定され、熱心な討議や活発な意見交換が行われた。
 【総務・庶務】@職員のスキルアップ方策について、A校内美化の推進について
 【経理】@外部資金について、A支払業務について、B大学ホームページの活用について
 【教務】@高大連携講座における入学前修得単位について、A出席状況の把握・管理について、B進級に関わる履修指導について
 【学生】@学生支援・学生相談・メンタルヘルス等について、Aキャリア教育の教職員連携について、B課外活動や実習等での事故対応について
 夕刻からは懇親会が開催され、いわき太鼓が披露されるなど、終始和やかな雰囲気の中、楽しいひとときとなった。
 二日目は、協会本部の小出秀文事務局長が「私学振興上の当面する重要課題〜百花繚乱の私学が拓く新時代〜」と題して、私学を取り巻く諸情勢について講演を行った。
 講演終了後、各分科会の討議内容の発表、黒田運営委員長の閉会の挨拶があり、「時代の潮流変化を見極めながら、更に充実した研修会にしていきたい」との次年度以降の方針が述べられ、二日間の研修日程を全て終了した。

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