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平成20年9月 第2330号(9月10日)

知財管理や修学支援など討議 中・四国支部で分科会

 去る八月二十日と二十一日の両日、日本私立大学協会の中・四国支部(支部長=石田恒夫広島経済大学理事長)は、平成二十年度分科会(事務局長相当者、就職部課長相当者、教務部課長相当者、学生生活指導部課長相当者、経理部課長相当者)を、福山大学の当番校のもと、福山ニューキャッスルホテルにおいて開催し、知財管理や修学支援などについて討議した。

 同分科会は、昭和五十八年に開催されて以来二六回目を迎える。この度の分科会には二九大学から一二三名の参加者があった。
 分科会に先立ち、石田支部長から、「私立大学を取り巻く環境は、ますます厳しさを増している。地域の大学には、それぞれに役割がある。建学の精神を十分発揮し、互いに切磋琢磨しながら共存の道を選びたい。充分な情報交換をし、実り多き分科会となるよう期待する」旨の挨拶があった。
 その後、当番大学である福山大学の宮地 尚理事長の歓迎の挨拶、岡崎文憲事務局長によるオリエンテーション、松井寿貢支部事務局長から分科会運営についての説明と座長の紹介があり講演に移った。
 はじめに、同協会の小出秀文事務局長が、私学振興上の諸情勢と当面する重要課題について、基調講演を行った。高等教育機関の現状、教育改革関連の動向、教育基本法改正、教育振興基本計画、留学生三〇万人計画等について資料に沿って詳細な解説を行った。
 続いて、実践女子学園の井原 徹常務理事が、「大学職員の仕事―大学職員としての誇り」と題して、基調講演を行った。「学生にとって魅力ある大学」とは何か、それぞれの大学の個性を生かした上で考える必要があるなど、かつて大学職員であった経験をもとに大所高所からの多くの示唆に富んだ話に、参加者は興味深く聞き入った。
 休憩をはさみ、会場を移しての分科会では、提案された議題について、一時間半余りにわたって熱心な討議が行われた。その内容は次の通り。
 ●事務局長相当者分科会:教職員の採用計画、国外研修会に学生を派遣する場合の保険について、知財管理の在り方、コンプライアンスマネジメント等、●就職部課長相当者分科会:「企業採用の裏側」、「〇八年度新入生の特徴と成長実感を与える指導」について講師による情報提供、●教務部課長相当者分科会:定期試験、追・再試験の実施方法、各学期一五回講義の確保、FD義務化に対する取組み、教員免許更新制等、●学生生活指導部課長相当者分科会:修学支援、学友会活性方策、マナー、個人情報の取扱等、●経理部課長相当者分科会:会計システム、共同研究・受託研究の入収の取扱、予算等。
 続いて、教育懇談会に移り、情報交換の輪ができ、和気藹々のうちに来年の善通寺での再会を約して終了した。
 二日目は、「国内にこだわったデニムづくり」と題して、カイハラ株式会社代表取締役社長の貝原潤司氏が講演を行った。優れた製品を届けるためにデニムの国内生産にこだわり、地域に根ざして成長した企業の社長である貝原氏は、講演の最後に、「地元の大学への要望事項とともに、新社会人には、自ら切り開く力、好奇心をもつこと、コミュニケーション能力の養成、情報を識別できる力を持ってほしい」と結び、会場から拍手が沸き起こった。
 その後、前日に引き続いて分科会が開催され、熱心に意見交換が行われ、二日間にわたった分科会を終了した。

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