平成20年8月 第2328号(8月27日)
■「地域振興の核」54件選定(連携大学176校など) 戦略的大学連携支援事業
文部科学省は、このほど国公私を通じた大学教育改革の支援の充実等のうち、地域振興の核となる大学の構築をめざす事業の一つである「戦略的大学連携支援事業」〈新規〉(予算三〇億円)の選定結果を発表した。
この事業は、国公私立大学間の積極的な連携を推進し、各大学における教育研究資源を有効活用することにより、当該地域の知の拠点として、教育研究水準のさらなる高度化、個性・特色の明確化、大学運営基盤の強化等を図ることを目的として、平成二十年度から新規にスタートした事業である。
六月初旬の締切りまでに@総合的連携型(地元型)、A同(広域型)、B教育研究高度化型の三申請区分合計で九四件の申請があり、同事業選定委員会(委員長:松尾 稔((財)科学技術交流財団理事長、名古屋大学名誉教授))において審査が行われ、五四件の連携取組が選定(@一五件、A二二件、B一七件)された。
選定された取組は次のとおりである。カッコ内は申請者(代表校)。
総合的連携型(地元型)15件
▽高等教育機関連携による「キャンパス都市函館」構想(北海道教育大他)、▽現代の北のまほろば!!青森に根づく「知の循環型社会」の形成(青森県立保健大他)、▽プロジェクト「4A」―連携による知のベイス構築と「秋田戦略学」の展開―(秋田大他)、▽東京都内四医療系大学連携によるカリキュラム開発と地域医療者生涯学習コース提供(東京慈恵会医科大他)、▽八王子未来学の構築を目指した大学・市民・行政からなる大学連携と実践活動の高度化(東京工業高専他)、▽金沢医科大学と金沢工業大学による教育研究協力を通じた有機的な医工連携(金沢医科大他)、▽工科系コンソーシアムによるものづくり教育の拠点形成(名古屋工業大他)、▽共同図書環(館)のネットワークシステムの構築と新たな教養教育プログラムの開発(愛知県立大他)、▽びわこバイオ医療大学間連携戦略(滋賀医科大他)、▽実践力のある地域人材の輩出〜大学連携キャリアセンターを核にして〜(桃山学院大他)、▽ポーアイ四大学による連携事業―安全・安心・健康のための総合プログラムを軸として―(神戸学院大他)、▽海・技・人の光る呉市周辺沿岸島嶼部の総合人材育成(呉工業高専他)、▽紙おむつリサイクルから始まる環境保全と明るく快適なシルバーライフの提案(福岡大他)、▽知の拠点として地域をリードする大学間教育ネットワーク推進事業(佐賀大他)、▽地域連携研究・留学生支援・教育連携を柱とする地方における高度人材養成拠点の構築(大分大他)
総合的連携型(広域型)22件
▽食の安全・安心の基盤としての地域拠点型教育研究システムのネットワーク形成(酪農学園大他)、▽いわて高等教育コンソーシアムにおける地域の中核を担う人材育成と知の拠点形成の推進(岩手大他)、▽仙台圏所在大学等の連携を強化・拡充することによる相互的及び総合的発展(東北学院大他)、▽大学コンソーシアムやまがたを基盤とする地域教育研究機能の強化(山形大他)、▽ユニバーサルコミュニケーションのための教養教育に向けた千葉圏域コンソーシアム(千葉大他)、▽遠隔に立地する大学の教育・研究活動の連携―水素エネルギー研究協力を契機にして―(武蔵工業大他)、▽共生型大学連携による新潟県の人材確保・養成の短期的及び包括的施策による地域貢献(新潟青陵大他)、▽地域人材育成に向けたSRM手法による教育の質保証(富山大他)、▽大学コンソーシアム石川を中心とした共通の教養教育機関とICT教育支援体制の構築(金沢大他)、▽個性的な地域創生のための学習コミュニティを基礎とした仮想的総合大学環境の創造(福井県立大他)、▽大学間地域ネットワーク構築による高等教育の質保証と人材育成の実質化(信州大他)、▽六年制薬学教育を主軸とする薬系・医系・看護系大学による広域総合教育連携(名古屋市立大他)、▽列島縦断広域型大学連携eラーニングコンソーシアムによる新たなる高等教育の地域展開(日本福祉大他)、▽京都発国公私立大学ヘルスサイエンス系共同大学院の創設と総合的連携による大学力強化(京都府立医科大他)、▽eラーニングシステムの共有共用化に伴う教養教育の大学間連携と効率化の促進(京都産業大他)、▽アクティブ・ラーニング型学生派遣・受入プログラムの構築を通じた広域的な大学間連携(関西学院大他)、▽広域大学連携による「臨床医工学・情報学」高度人材育成システムの構築(武庫川女子大他)、▽観光を主軸とした知の拠点形成のための戦略的大学連携(和歌山大他)、▽連携拠点「科学Tryアングル岡山」による多角的科学の推進と地域活性化への挑戦(岡山大他)、▽高大連携による過疎地域の人材育成及びICカードを活用したひろしまカレッジ(広島経済大他)、▽『四国の知』の集積を基盤とした四国の地域づくりを担う人材育成(香川大他)、▽鹿児島はひとつのキャンパス―地域のリーダー養成のための大学連携と総合教育の構築―(鹿児島大他)
教育研究高度化型17件
▽北海道の地域医療の新展開を目指した異分野大学院連携教育プログラムによる人材育成(札幌医科大他)、▽地域に根ざす多様な教育支援人材の育成プログラムと資格認証システムの実践的共同開発(東京学芸大他)、▽スーパー連携大学院構想:産学官の広域連携を通じたイノベーション博士人材の育成(電気通信大他)、▽世界最高水準のEU高度教育研究共同大学院の設置を先端的事業とする大学連携(一橋大他)、▽地域活性化型知財戦略人材養成手法の高度化及び学際的地域活性化実践研究(政策研究大学院大他)、▽五女子大学共同教職大学院運営モデルの構築(日本女子大他)、▽実践的プロジェクト教育による多角的連携に基づく人材育成と医療イノベーション(北里大他)、▽国私立大学間連携による医学・理工学に精通した先端生命科学分野の国際的研究者の育成(山梨大他)、▽国際的視点に立つ創薬研究者養成のための実践的な教育研究システム(岐阜大他)、▽静岡県国公私大学連携による地域を担う人材育成のための大学院教育プログラムの開発(静岡大他)、▽地域内大学連携によるFDの包括研究と共通プログラム開発・組織的運用システムの確立(佛教大他)、▽地域公共人材のための京都府内における教育・研修プログラムと地域資格認定制度の開発(龍谷大他)、▽高度な医療人養成のための地域連携型総合医療教育研究コンソーシアム構想(徳島文理大他)、▽「四国地区大学教職員能力開発ネットワーク」による大学の教育力向上(愛媛大他)、▽北九州学術研究都市連携大学院によるカーエレクトロニクス高度専門人材育成拠点の形成(北九州市立大他)、▽国公私立大コンソーシアム・福岡―地域からアジアへ、環境・エネルギー問題に挑む―(福岡工業大他)、▽口腔医学の学問体系の確立と医学・歯学教育体制の再考(福岡歯科大他)
なお、参加大学の合計延べ数は@型五七校(私立四二、国立六、公立九)、A型一四八校(私立一〇〇、国立二八、公立二〇)、B型八四校(私立四九、国立二三、公立一二)であった。