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平成20年8月 第2328号(8月27日)

学士課程教育の構築めざし「質保証」への積極的取組み
  第1回 質保証の共同作業部会開く
  私大3団体「質保証」のアンケート実施

 日本私立大学団体連合会(安西祐一郎会長)は、去る八月十九日、東京・市ヶ谷の私学会館別館において第一回「質保証の共同作業部会」(白井克彦部会長)を開催し、中央教育審議会の『学士課程教育の構築に向けて(審議のまとめ)』の「質保証システム」の在り方や、閣議決定された『教育振興基本計画』における「大学等の教育力の強化と質保証」の方策等の検討が提言されていることから、同連合会の私立大学三団体共通のアンケートを実施することなど、質保証に関わる今後の検討課題、スケジュール等を協議した。

 「質保証」に関連して、これまで「学士課程教育の構築に向けて」においては、国際的通用性のある大学の教育課程を修了した証としての「学士」の質を重んじる『学士課程教育』の概念を規定し、その構築に向けた改革の具体的方策、また、「教育振興基本計画」においては、今後五年間に「特に重点的に取り組むべき事項」として「学士課程で身に付ける学習成果の達成等を目指し、各大学等において教育内容・方法の改善を進める」といった教育力の強化と質保証の必要性などが提言されてきた。
 これらの背景の下、同部会は「学士課程教育」を中心とした「質保証」の課題について検討するために設置されたものである。
 白井部会長は開会の挨拶で、「私立大学が社会の信頼に応え、国際的通用性を備えた学士課程教育の構築を目指し、学部教育・大学院教育の質を保証するための改革が急務であり、私立大学全体の質保証の在り方を検討し、年内を目途に中間まとめをしたい」と同部会の趣旨を述べた。
 また、同部会の目指す目的として、@私立大学の共通課題の共同研究(資源の少ないわが国が教育立国を掲げて持続的発展を遂げ、国際社会へ貢献できる人材の育成)、A私立大学のプレゼンスの向上(質を高め、国や社会にアピールすることで私立大学への公財政支出の理解を求める)、B大学団体の役割(「学士課程教育の構築に向けて」に提言された「大学団体の役割・機能」において、質保証の取組みについて重要な役割を果たしていくことが望まれると記述されている)などが挙げられる。
 協議では、まず、「学士課程教育の『質保証』に関するアンケート」を同連合会を構成する私立大学三団体で共通に実施することを決め、先行実施している日本私立大学連盟の同調査をもとに、日本私立大学協会、日本私立大学振興協会でも近日中に同調査を実施することとした。
 また、質保証問題についての活発な討議も行われ、次回の会合を九月下旬に行うことになった。
 同部会の委員は次のとおり。任期は一年。
 (部会長)▽白井克彦早稲田大学総長、(委員)▽北元喜朗北陸大学理事長、▽工藤教和慶應義塾常任理事、▽黒田壽二金沢工業大学学園長・総長、▽佐藤東洋士桜美林大学理事長・学長、▽鈴木典比古国際基督教大学大学長、▽古矢鉄矢北里大学事務副本部長・学長室長、▽松本亮三東海大学付属図書館長・文明研究所長・文学部教授。

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