Home日本私立大学協会私学高等教育研究所教育学術新聞加盟大学専用サイト
教育学術オンライン

平成20年7月 第2325号(7月23日)

「21世紀に生きる女子大学」 学生支援機構・お茶の水女子大

 去る七月十九日、日本学生支援機構(北原保雄理事長)とお茶の水女子大学(郷 通子学長)は、東京国際交流会館において、国際シンポジウム「二十一世紀に生きる女子大学〜グローバル社会における女子大学の使命〜」を開催した。
 はじめに、北原理事長が「女子大学のグローバル化を目指したネットワークを構築するための機会を提供できればと思う」と挨拶を述べた。
 基調講演では、「二十一世紀に生きる女子大学」と題して郷学長が、また「未来における女子大学の役割」と題して韓国の李 培鎔梨花女子大学校総長が講演を行った。
 郷学長からは、お茶の水女子大学では「女性研究者支援プロジェクト」など、女性のライフサイクルなどに考慮した学生支援が行われていることなどが紹介された。また、梨花女子大李総長からは、女子大だけが持つ教育の経験を生かした人材育成の展開について話があった。
 その後行われたパネルディスカッションT部「女子大学が果たす使命〜一〇〇年の歴史を超えて〜」では、フィリピン女子大学のアメリア・ローデス・B・レイエス学長、津田塾大学の飯野正子学長、東京女子大学の湊 晶子学長、奈良女子大学の久米健次学長、日本女子大学の後藤祥子学長が、それぞれの大学の沿革および女子大の果たす使命等について述べた。国内外の連携に対しては、「各女子大学は連携と同時に他大学との差別化を計ることも重要である」「女子大か共学の大学かといった二項対立ではなく、提供する教育内容が大切である」などの意見があった。
 続くII部の「グローバル社会を生きる私」では、社会で活躍している女子大卒業生や留学生など六名がパネリストとして登壇し、「入学希望者は女子大の魅力ではなく、大学としての魅力に惹かれている」「女子大での学びや学生生活を通しての経験が現在の仕事に大いに役立っている」など、それぞれの経験などを語った。
 ファシリテーターを努めた朝日新聞社の辻 篤子論説委員は、最後に「二十一世紀の女子大について考えることは、教育について考えることでもある。この会は、内外の連携の第一歩である」と述べた。
 同シンポジウムには、女子大学関係者ら二七五名が参加。パネリストらの話に熱心に耳を傾けていた。

Page Top