平成20年7月 第2322号(7月2日)
■27地域を第1次採択 地域雇用創造の推進事業
厚生労働省はこのほど、地域再生に取り組む市町村等に対する支援の一環として、地域の創意工夫により行う雇用創造の推進を図る平成二十年度「地域雇用創造推進事業(新パッケージ事業)」として二七地域を採択した。
今年度の第一次採択地域の募集では、三〇地域から応募があった。採択された二七地域は地域再生計画の認定を受け、事業が開始される。
二七地域のうち、五地域が都道府県が中心となり広域で実施、二二地域が市町村主体のものだった。
これらの地域は、これまでも地域資源・地域の特色を最大限に活用した地域独自の取組を行っており、これらの取組と採択された本事業を一体的に実施することにより、地域における雇用創造効果がさらに高まると期待される。
今回採択が決まった地域のうち二つの事業構想の概要(抜粋)を紹介する。
▽北海道・室蘭市
室蘭市は、鉄鋼を始めとするものづくりの町として栄え、工業製品出荷額は三年連続して道内一位となっている。しかし、若年層の定着率の低さ、団塊世代の退職により後継者や熟年技能者の不足などの課題がある。
このため、若年者を対象にものづくりへの興味を喚起し、CAD等のセミナーを実施。さらに、団塊世代を対象にカウンセリングに重点を置いた就労支援を行い、若年層や団塊世代の能力を地域のものづくり産業で活かしていく。
▽福島県会津地域(広域)
会津地域は二市一一町四村からなり福島県の約四割を占める広範な地域。猪苗代湖を始めとする豊かな自然と野口英世記念館等、多くの歴史的観光資源を有している。電子部品、精密機械部品等、高度な部材産業が集積している地域でもある。
この事業では、顧客のニーズに速やかに対応でき、さらに魅力的な観光資源を引き出せる人材の育成、地元企業が求める高度な能力を備えた人材の育成を図り、観光、ものづくり産業、先端産業の振興を図る。