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平成20年7月 第2322号(7月2日)

特許帰属は大学・TLOへ 筑波、広島、東北大から見る知財動向

 国大法人化を境に特許の帰属が個人から大学・TLOに移行―科学技術政策研究所が筑波大、広島大、東北大の特許状況を総合的に分析した結果、知財施策や国大法人化を機に特許の帰属先が変化したり、特許に関わる研究者数が増加していることが分かった。

 大学の研究者が係わる特許には、大学の他に、TLO(技術移転機関)、共同研究先、研究者個人に帰属するものがある。
 知財施策や二〇〇四年の国大法人化によって変化した大学関連特許の動向を分析するため、大学の研究者が「発明者」として加わっている出願特許を全て抽出する必要があった。この発表は、筑波大学、広島大学、東北大学の三大学の知財管理部門から一九九三年から二〇〇六年の全ての出願特許を抽出し、総合的に分析した。
 その結果、大学等技術移転促進法(TLO法)や産業活力再生特別措置法(日本版バイ・ドール法:政府の委託研究に係る知的財産券を受託先に帰属できる)などの知財関連諸施策が始まった一九九八年頃から、大学関連特許は増えている。ただし、法人化前までは特許の多くは共同研究先である企業に帰属。法人化後は、大学に帰属が増えており、帰属先の中心が企業から大学やTLOに移っている。
 一九九九年頃から、新たに特許出願に係わるようになった教員が増加。これが大学関連特許を増加させた要因である。結果的に、一部の発明者が大学関連特許の多くを占有する「発明者の一極集中」状態は緩和されつつある。
 特許の出願は、大学や企業、個人が単独で行うケースと、これらが共同で行うケースの二通りがあるが、特許全体に占める企業との共同出願の割合及びその変化は、大学によって異なる。単願と共願にはそれぞれメリット・デメリットがあり、その変化には大学ごとの知財戦略が反映しているようだ。
 分析結果は「国立大学法人の特許出願に対する知財関連施策および法人化の影響」としてまとめられた。
 下図は発明者一人あたりの年間発明回数を表す。

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