平成20年6月 第2319号 (6月11日)
■本のシンポジウム開く 「大学生が読む50冊」
東海大学(松前達郎学長)文学部文芸創作学科は、去る五月三十一日に、公開シンポジウム「大学生がよむ五〇冊」(毎日新聞社後援・紀伊国屋書店協賛)を湘南キャンパスで開催した。
若者の読書離れが指摘される一方で、出版点数の増加や情報氾濫などから書籍選びに戸惑いを感じている学生も少なくない。同シンポジウムは、ジャンルや地域、時代を問わず、学生にぜひ読んでもらいたい本を選び、若者たちを読書に誘おうという催し。
同学科で事前にリストアップした一五〇冊の図書の中から、同大学教員六名とゲストの芥川賞作家の川上未映子氏が、文学論議を展開し、推薦図書五〇冊を選定した。
会場には、学生と一般市民三六〇名が集まり、白熱した議論に会場からは笑いや驚きの声があがった。
最終的に国内編二三冊、海外編二七冊が選ばれた。『万葉集』、樋口一葉『たけくらべ』、柳田國男『遠野物語』、三島由紀夫『豊饒の海』、九鬼周造『いきの構造』、『千夜一夜物語』、『聖書』、シェークスピア『ハムレット』、アラン『幸福論』、プルースト『失われた時を求めて』など。
最後に、川上氏は「読書は事件。たくさんの事件に出会ってほしい」と挨拶した。