平成20年6月 第2319号 (6月11日)
■夜の舎彩る光の作品 イルミネーション08
武蔵工業大学(中村英夫学長)は、去る五月三十一日から六月三日の四日間にわたり、世田谷キャンパスにおいて「キャンパスイルミネーション2008」を開催した。
工学部建築学科の学生が中心に、照明デザインの実習も兼ねて、夜のキャンパスを舞台に光のインスタレーションを展開、連夜キャンパスに施された照明作品を一般公開した。
五回を数える同イベントの、このたびのテーマは「ミチ」。学生は一○班に分かれてコンセプトに沿った作品を制作。屋外では建物の配置や植栽を活かしつつ、また屋内では映像や音響の技術を加えるなど、空間に色彩豊かな光が陰影を落とす、学生の趣向を凝らした作品が公開された。
入場者には、制作した学生自らがコンセプト等を説明する。子どもにも人気が高かった参加型の作品を制作した学生の話からは、参加者とのセッションを楽しむと同時に、確固としたコンセプトを納得させるだけの説得力が感じられた。アイディアをしぼりだす苦労と、チームワークあるいはチーム間の競合意識なども学生の話からはこぼれてくる。それだけに学生の、作品に対する思い入れは強く、他の作品に負けないという自負もある。
発起人である工学部建築学科の小林茂雄准教授は「今では学生が積極的に提案をして盛り上げている。イベント自体は地域住民との交流の場の創出と、手法がマンネリ化しつつある商業的なイルミネーション企画に対しての新たな演出方法の提案」と語る。