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平成20年6月 第2318号 (6月4日)

JSTと文科省が二人三脚 大学生らを理科支援に配置

 JST(科学技術振興機構)は平成二十年度、文部科学省が推進する「次代を担う人材への理数教育の充実」の一環として、理科の授業を、大学生や退職した教員ら外部人材が手伝い、教員の補助をする「理科支援員等配置事業」を実施する。
 この事業は、昨年スタート。今年度は、事業推進にあたって、大学の協力が必要不可欠という見地から文部科学省が全国の国公私立大学に事業への協力を呼びかけることになった。
 団塊の世代の大量退職に伴い、小学校では新卒教員が増えている。彼らの多くは文系で、約六割が理科の実験に苦手意識を持っているという。そうした教員をサポートして資質向上を図り、子どもたちがより興味をもてる理科の授業を実現しようというのが目的。
 事業は、JSTが都道府県・政令指定都市の教育委員会に委託して全国約三六〇〇の小学校で、五、六年生を対象に行っている。
 各自治体が雇用するコーディネータは支援員や特別講師の選定、配置計画を策定する。支援員は実験・観察の補助ばかりでなく、授業計画の立案・教材開発の支援も行う。
 特別講師には研究者や技術者が招かれ、先端科学技術の知識やものづくり技術の伝授なども計画されている。
 都内で支援員を務める退職教員は「この理科支援員等配置事業が始まったことで、理科(準備)室の整理が進み、理科教育に関する学校間の情報交換が行われるようになりました。その結果、学校の理科教育に対する意識が高まってきています」と語る。
 平成十九年度に実施したアンケート調査(理科支援員等の外部人材配置済の小学校約三六〇〇校、約一万三〇〇〇学級の児童を対象)では、児童の八〇%が外部人材の配置後、理科の授業がわかるようになったと回答した。

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