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平成20年5月 第2317号 (5月28日)

第11回高等教育学会大会
 研究発表が90本以上 大学の"市場化"テーマにシンポも

 日本高等教育学会(山本眞一会長)は、去る五月二十四、二十五日、東北大学において、第一一回大会(荒井克弘準備委員会委員長)を開催した。
 高等教育が激動の時代を迎える中で、ますます同学会の重要性が増している。扱われる研究テーマも、FD・SD、学士課程教育、大学の経営、学生支援、大学教授職、大学と職業、世界動向と大学等、大学の今日的課題や高等教育政策を研究しているものが多く、寄せられた自由研究発表の申込総数も九〇本以上と例年をはるかに上回った。
 一日目の課題研究では、@高等職業教育の体系化と専門学校、A大学教育の効果の検証:学生調査結果から、の二研究に分かれ、それぞれ報告と質疑応答、会場とのディスカッションなどが行われた。
 また、二日目には、公開シンポジウムとして、「大学“市場化”の展開―市場・大学・制度」をテーマに行われた。世界的にも大学の市場化は一つのトレンドとなっているが、その定義は必ずしも明確ではなく、研究も充分ではない。このたびは、アリゾナ大学のゲーリー・ローズ氏を海外からのゲストとして招聘、東北大学の原山優子氏、東京大学の小林雅之氏の三者がそれぞれ「大学の市場化」について報告し、市場化の詳細な分析とともに問題点などを挙げた。そののち、桜美林大学の潮木守一氏から@市場化による大学間の「格差」と言うが、それは格差なのか、それとも、役割分担なのか、A学生の経済的支援において、グラントがよいかローンがよいか、といった質問が三者に対して投げられた。会場からも質問や意見が出され活発な議論となった。
 なお、二日目の午後には同学会の総会が開催され、十九年度決算、二十年度活動方針などが了承された。
 同学会は一九九七年七月に発足、高等教育研究のより一層の発展・進化を目指すべく現在まで精力的に活動を行っている。

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