Home日本私立大学協会私学高等教育研究所教育学術新聞加盟大学専用サイト
教育学術オンライン

平成20年5月 第2316号 (5月21日)

工科大初の孔子学院 中国文化分かる技術者を養成

 工科大学で初の孔子学院が誕生―学校法人工学院大学(大橋秀雄理事長)と中華人民共和国孔子学院本部は、本年一月、「工学院大学孔子学院」を共同設置することで合意し、去る五月十二日、同大学の新宿キャンパスにおいて、設立記念式典を挙行した。
 開学式セレモニーでは、「工学院大学孔子学院」の看板贈呈式があった。同学院の初代学院長に就任した西園寺一晃氏が挨拶をし、「日本と中国は、より相互に信頼、尊敬しあう関係になって欲しい。語学だけではなく、文化や歴史を勉強して欲しい」等と述べた。
 中国駐日本国大使館の孫建明公使参事官、北京航空航天大学の唐 暁青副校長、日中科学技術交流協会の有山正孝理事長から祝辞があった後、大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター所長・元国連大学副学長の武者小路公秀氏から、記念講演「中と和と平等互恵的国際交流」と題した基調講演があった。武者小路氏はその中で、技術者は西洋的な合理性ばかりではなく、東洋の複雑さを前提とした中庸思想も学ぶべきなどと述べた。
 その後、二胡演奏家として著名な程 農化氏による美しい演奏があり、閉会となった。
 孔子学院は、中華人民共和国政府が中国語と中国文化の普及を目指し、世界の大学と共同で設置、展開している教育機関で、世界各地で既に二〇〇余校が設立されている。同大学の設置は、大橋理事長が開会の辞で、「中国語や中国文化が分かる技術者の養成が求められている」と述べたように、社会に求められる人材育成ニーズに応えると共に、特色のある大学作りの重要な戦略になる。なお、同大学と交流協定を結んでいる北京航空航天大学が、パートナー校として孔子学院の運営に協力する。

Page Top