平成20年5月 第2315号 (5月14日)
■常用漢字220字追加へ 2010年に新常用漢字表制定
文化審議会国語分科会の漢字小委員会がこのほど開かれ、常用漢字に新たに加える可能性がある候補(素案)として二二〇字を公表した。これをたたき台として二〇一〇年に“新常用漢字表”の制定をめざす。
漢字小委員会は、書籍や新聞などで使われている漢字の頻度調査をもとに、上位の字を選び出し、この中から新常用漢字表(仮称)に採用する字を絞り込む作業を続けている。
新たに加える可能性がある二二〇字には、動物名では虎、亀、鶴、鷹(たか)などが含まれている。鬱(うつ)のように書くのは難しい漢字もあるが、これらは「パソコンなど情報機器を利用して書ければよい漢字」として加えられる可能性もある。
銑、錘、勺、斤、匁、脹(ちょう)の六字はほとんど使われていないことなどから、常用漢字からはずす方向で検討しているという。
常用漢字表は、法令や公用文書、新聞、雑誌、放送など一般の社会生活で、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安。一九八一年に定められ、一九九四字からなる。
八一年当時は手書きを前提としていたが、その後四半世紀の間に、ワープロ、パソコン、携帯電話などが普及し、漢字をめぐる環境は大きく変った。これに伴い、新しい常用漢字表が求められていた。