平成20年4月 第2312号 (4月16日)
■環境人材を育成せよ 環境省がビジョンまとめシンポ
環境省は、去る二月二十四日、東京・目黒の東京都庭園美術館において、「持続可能なアジアに向けた大学における環境人材育成ビジョン」発表シンポジウムを開催し、企業、大学、NPO等から二三〇名を超える参加者が集った。
わが国をはじめアジア諸国において、アジアにおける環境人材の育成が重要視されていることを踏まえ、環境省から委嘱を受けた「持続可能なアジアに向けた大学における環境人材育成ビジョン検討会」では、昨年一年間にわたり議論を行い、「環境人材ビジョン」として本年三月に取りまとめた。このたびのシンポジウムは、同ビジョンの発表とともに、持続可能なアジアを切り拓く次世代型環境人材育成をテーマとして、関係者がパネルディスカッションを行うもの。
同ビジョンで環境人材とは、「自らの体験、倫理観を基盤として、環境問題について自ら考え、各人の専門性を活かしたキャリア、市民活動等を通じて、持続可能な社会づくりに取り組む強い意志を持ち、リーダーシップを発揮して、社会変革を担っていく人材」と定義している。同省では今後、大学教育プログラムの開発・普及、産学官民連携のコンソーシアムの立ち上げ、アジアの大学ネットワーク化支援等を行っていく予定。
シンポジウムでは、桜井郁三環境副大臣の挨拶、同検討会座長の廣野良吉成蹊大学名誉教授の基調講演などがあり、パネルディスカッションでは、産学民より第一人者六名がパネリスト、安井 至国連大学名誉副学長がモデレータとなり、主にこのたびのビジョンについての感想や提案、実行あるものにするための条件などをテーマにディスカッションを行った。
パネリストからは、ビジョンの結果を現実に実行に移すためには、トップの意思が大事であり、そのリーダーシップの条件とは、先見性、人間的な魅力、絶対に逃げないこと、などとの意見が出された。会場からは、「学生の主体的な活動を支援することが大事」等の主張があった。
その後は、関係者と参加者による交流会があり、閉会となった。