Home日本私立大学協会私学高等教育研究所教育学術新聞加盟大学専用サイト
教育学術オンライン

平成20年4月 第2311号 (4月9日)

初のこども体力調査 文科省が4月実施 体力不足解消めざす

 文部科学省は平成二十年度から体力不足がいわれている児童生徒に対して体力、運動能力の調査を行うことを決めた。文科省として初めての試みで、四月から七月までの期間に実施する。児童生徒の体力不足解消に役立つかどうか、成り行きが注目される。
 「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」と名付けられた調査の目的は次の三つにある。
 一、子どもの体力が低下している状況にかんがみ、国が全国的な子どもの体力の状況を把握・分析する。そのことにより、子どもの体力の向上に係る施策の成果と課題を検証し、その改善を図る。
 二、各教育委員会、学校が全国的な状況との関係において自らの子どもの体力の向上に係る施策の成果と課題を把握し、その改善を図る。そのような取組みを通じて、子どもの体力の向上に関する継続的な検証改善サイクルを確立する。
 三、各学校が各児童生徒の体力や生活習慣、食習慣、運動習慣を把握する。そして学校における体育・健康に関する指導などの改善に役立てる。
 調査対象となるのは国・公・私立学校の全ての小学校五年生と中学校二年生。
 小学生の実技調査では▽握力▽上体起こし▽長座体前屈▽反復横とび▽20メートルシャトルラン▽50メートル走▽立ち幅跳び▽ソフトボール投げの八種目。
 中学生の実技調査も八種目。▽握力▽上体起こし▽長座体前屈▽反復横とび▽持久走▽20メートルシャトルラン▽50メートル走▽立ち幅跳び▽ハンドボール投げで、持久走と20メートルシャトルランはどちらかを選択する。
 児童生徒に対しては生活習慣、食習慣、運動習慣に関するアンケート調査も合わせて実施する。
 また、学校に対しては@学校における体育的行事の実施状況A体育専科教員および外部指導者の導入状況B屋外運動場や運動部活動の状況などに関する調査を行う。
 文部科学省の銭谷真美事務次官は四月七日、体力テストを今秋既に予定している学校については、不参加を認める方針を示した。体力テスト実施は学校ごとに任意だったためで、十二月までにまとめる第一回調査結果にも反映させない。

Page Top