平成20年4月 第2310号 (4月2日)
■大学間連携の可能性 IDE高等教育フォーラムで討議
文部科学省では、平成二十年度の新規事業として、大学間連携の推進に力を入れるとしているが、IDE大学協会(森 亘会長)は、千葉大学との共催で、去る三月二十二日、東京一ツ橋の学術総合センターにおいて、『IDE高等教育フォーラム「大学間連携の可能性」』を開催した。
はじめに、文部科学省の久保公人高等教育局担当審議官が、平成二十年度から三〇億円の予算で開始する「戦略的大学連携支援事業」や、「共同学部・共同大学院」の創設を可能にする制度改正の方向などについて説明を行った。
次いで、京都教育大学の寺田光世学長が、京都国私八大学による連合教職大学院の創設について、武蔵工業大学の中村英夫学長が、@室蘭工業大学との水素自動車研究開発協力と学生交流、A多摩美術大学とのデザインに関する連携、B昭和大学との医療工学に関する連携について、また、東京大学の平尾公彦副学長が、京都大学、早稲田大学、慶應義塾大学との四大学大学院学生交流プログラムについて、それぞれ紹介した後、会場との活発な質疑・討議が行われた。
その中で、大学間提携は、日本私立大学協会や京都の大学コンソーシアムなど、組織を通じての日ごろの交流が基盤になること、相互の弱点を補うギブ・アンド・テイクの精神が重要であること、連合大学院等の共同事業では、参加大学の貢献が正当に評価される制度的仕組みが必要であること等の意見が出されるなど、大学間連携の効果と問題点について参加者への理解が深まり、フォーラムは成功裏に幕を閉じた。
同協会では、桜美林大学と共催で執筆者と語り合う「IDE誌特集を深める会」をシリーズで開催している。四月十九日に『IDE現代の高等教育』四月号特集「これからの大学職員」を取り上げる「第二回深める会」を、桜美林大学大学院四ツ谷キャンパスで開催の予定。詳しくは、IDE大学協会ホームページ(http//www.ide-web.net/)を参照のこと。