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平成20年4月 第2310号 (4月2日)

地球温暖化の対策など 私立大学環境保全協会が研修会

 私立大学環境保全協議会(中村 洋会長)は、去る三月六日・七日、埼玉県南埼玉郡の日本工業大学において、第二四回総会・研修研究会を開催、フェリス女学院大学の環境教育の実践例や政府の地球温暖化対策等について講演を行った。

 社会的に環境問題への関心が高まる中、ますます大学の役割は大きくなっている。特に、本年度より第一約束期間が始まる京都議定書の影響により、地球温暖化対策の推進が求められている。
 昨年度、全私学連合が自主行動計画を策定し、教育、研究活動により貢献するとともに、施設管理面における削減活動を行っていくとしている。
 このたびの研修会では、まず、文系女子大学の環境教育の実践事例として、フェリス女学院大学の本間愼学長が講演した。同大学では、「生命を育む女性への環境教育」を大学の教育理念の一つに位置付け、学生の環境保全の実践・研究活動を支援していることを紹介した。
 続いて、ヒートアイランド現象とその対策効果について、日本工業大学の成田健一教授が講演した。ヒートアイランドは、ビルの人工排熱やアスファルト・コンクリートの蓄熱など都市部特有の要因により都市が高温化してしまう現象。成田教授は屋上緑化、緑地等について、それぞれ対策効果の評価を解説し、最後に、「ヒートアイランド対策技術の導入のネックは、本当に効果があるのか明確に示せないこと。正確で正しい認識を持った上で、対策が必要という合意形成が必要」と述べた。
 続いて、行政の立場から、小谷利恵文部科学省高等教育局私学部私学行政課課長補佐が、大学と地球温暖化対策について、その背景と政府の取組、大学における対策を解説した。小谷課長補佐は、我が国の地球温暖化対策の経過について触れた後、昨年十月に発表された全私学連合の環境自主行動計画について解説した。全私学連合では、私学全体として二酸化炭素を二〇〇七年度を基点として、二〇〇八年度から二〇一二年度の間において、毎年度、前年度比でマイナス一%になるように削減のための努力をすることを目標として掲げている。また、文部科学省大臣官房文教施設企画部参事官の大山靖啓参事官補佐が、平成二十一年度から施行される省エネルギー法について解説。改正後、私立大学は、学校法人として設置している学校園等を包括して、その一年間のエネルギーの使用量が一定以上の場合は、「特定事業者」として指定される。その際、現行法で指定されているエネルギー管理指定工場の枠組みは原則のままとし、全体のエネルギー管理統括者と実務レベルでの補佐を置くことになる。定期報告等は、事業者全体の報告を求められることなどを紹介した。
 続いて、同協議会の学校環境衛生検討委員会より、「学内における室内ホルムアルデヒドおよびVOCsの実態と簡易測定方法の検討」の報告があり、会場を移しての懇親会となった。
 二日目は、大学の省エネ等をテーマにしたグループ討議の後、「循環型社会における廃棄物のトレーサビリティー」について環境省廃棄物・リサイクル対策部の長谷川敬洋氏から講演があり、終了となった。

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