平成20年3月 第2309号 (3月26日)
■持続可能な開発のための教育 全国ミーティング2008
大学等が事例発表
持続可能な開発のための教育の一〇年推進会議(ESD―J、代表理事:阿部 治立教大学教授)は、去る三月八日、九日、東京・池袋の立教大学において、全国ミーティング2008を開催、全国から関係者およそ二〇〇名が集まった。
ESDは、「持続可能な開発」の実現に必要な教育への取り組みと国際協力を、積極的に推進する国連のキャンペーン。全国ミーティングでは、ESDに取り組む関係者が一堂に会し、情報交換を行う。このたびは、マーク・リッチモンド・ユネスコ国連教育優先課題調整部長を招いた講演等、「ESDの“これから”をデザインする。」をテーマに、全国の関係者により熱心な議論が行われた。
まず、リッチモンド氏の基調講演「ESD推進における国際動向」では、国際・国レベルでの取り組み状況等が解説された。今後ユネスコでは、国際的なESD支援のコーディネートや実施状況のモニタリングをしながら、推進に向けた役割の強化を行っていくが、日本の支援等にも期待をしているなどと語った。
続く全体会では、世界や日本政府のESDの動きが国連や文部科学省等の関係者から報告され、中部地域におけるESDの取り組みについて、中部ESD拠点協議会等中部五団体の活動紹介などが行われた。その後、ESD―J会員による各地・各分野での活動事例が報告され、特に、高等教育機関での取り組みは、愛媛大、岩手大、東京学芸大、岡山大等からの発表があった。
二日目は、地域、都市と農村、コーディネーター養成等五つの研究会に分かれて討論。最後には全体で研究会の共有のパネルディスカッションが行われ、今後の更なる取り組みを誓い合った。
村上千里事務局長の話:「全国ミーティングでは、学習指導要領の改訂において、総則の方針に持続可能な社会を入れるべき、という意見が満場の拍手で支持された。高等教育機関である大学においても、全ての学問のベースに、持続可能な社会づくりの視点を入れることが望まれていると思う。ぜひ一緒にESDに取り組んで欲しい」
(ESD―J)http://www.esd−j.org