平成20年3月 第2309号 (3月26日)
■「30万人計画」骨子案に向け審議
中教審大学分科会
中央教育審議会大学分科会の留学生特別委員会は、三月十八日、東京・千代田区の学術総合センターで第二回会合を開催した。
会議では、前回の議論を踏まえた次の「検討課題案」が示された。
一、「留学生三〇万人計画」の意義
(1)我が国の大学等にとっての留学生交流の意義=@国にとっての意義(国際貢献、外交戦略、日本文化の普及など)、A高等教育機関にとっての意義(国際競争力の強化、国際的評価の向上、地方私学の経営安定化など)
(2)留学生の視点から見た日本留学の意義=@国としての魅力(文化的魅力、キャリアチャンスに富む国など)、A高等教育機関の魅力(世界的通用性など)、B留学費用、C受入環境(宿舎や大学内の受入れ体制など)
(3)諸外国から見た日本留学の意義=諸外国の留学生政策の認識
二、「留学生三〇万人計画」の姿
(1)「留学生三〇万人計画」の計画期間=▽第一期:パラダイムの転換と新たな留学生政策の始動、▽第二期:新たな留学生政策の総力をあげての展開とその加速、▽第三期:「留学生三〇万人」と「開かれた日本」の実現の総仕上げ。
(2)「留学生三〇万人計画」を進める上での留意事項=@留学生の定義(各国で異なる)、A対象学種、分野、B留学期間(長期・短期)、C国・地域
三、「留学生三〇万人計画」実現に向けた検討事項
(1)課題とその取り組み=@国としての魅力の向上、A高等教育機関の魅力の向上、B獲得体制の整備、C受入環境の整備、D就職支援、卒業後のフォローアップ、E就学生等への配慮(日本語教育機関の就学生の多くが高等教育機関に進学している)
(2)関係省庁・機関等との連携=@外交戦略、A入国管理、B財政支援、C経済・雇用、D民間企業との連携、E地域との連携
そのほか、「四、日本人の海外留学」についても取りまとめた。
委員からは、「多数の私費留学生は私学が担っている。私学に対する配慮も重要だ」「三〇万人という大きな目標達成のため、世論の喚起も必要」「財政的な側面はどうなのか」など多様な意見が出された。