平成20年3月 第2308号 (3月12日)
■[新刊紹介]
高等教育市場の国際化 塚原修一 編著
近年は、高等教育の消費者(需要者)である学生や親の自由な選択を重視する、市場競争の推進が一部で叫ばれている。市場競争は、そのあり方によっては高等教育を変質させる可能性もあるが、市場的なものを含めた競争が国境を越えて進行しているのが最近の情勢である。
同書の主題は、高等教育の国際化(国境を越えた高等教育の提供)が事実として拡大していること。また、日本も加盟する世界貿易機関(WTO)において、高等教育サービスの貿易の自由化にむけた交渉が開始されていることの二つの点を指摘している。
高等教育サービスの貿易や輸出入といった表現が不快な向きもあろうが、高等教育が通商という枠組みでも議論される時代に入ってしまったことは受け入れるほかはない、としている。
また、同書は科学研究費補助金による研究成果の一部をまとめたもので、高等教育市場の国際化を対象とした、WTOなど国際機関の取り組みと主要な各国の対応を主な内容としている。
高等教育市場の国際化
A5判 262頁
定価 本体4,000円(税別)
発行所:玉川大学出版部
TEL::042-739-8935
A5判 262頁
定価 本体4,000円(税別)
発行所:玉川大学出版部
TEL::042-739-8935