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平成20年2月 第2306号 (2月27日)

青山氏らに学術奨励賞 若手研究者を対象

 日本学士院(久保正彰院長)ではこのほど、優れた研究成果をあげ、今後の活躍が特に期待される若手研究者五名に、第四回(平成十九年度)日本学士院学術奨励賞を授与すると発表した。
 受賞者と研究課題等は次のとおり。(敬称略)
 青山和夫(あおやま・かずお)45歳。茨城大学人文学部教授(マヤ文明学、マヤ考古学)、京都府出身。研究課題:古典期マヤ人の日常生活と政治経済組織の研究=ホンジュラスのコパン遺跡、グアテマラのアグアテカ遺跡の国際共同調査団の団員として、先古典期、古典期マヤ遺跡の調査に従事し、その独創的な作業はマヤ古代文明の研究に新しい地平を開拓した。
 大越慎一(おおこし・しんいち)42歳。東京大学大学院理学系研究科教授(物性化学、磁気化学、光物理化学)、神奈川県出身。研究課題:磁気化学を基盤とした新規磁気物性の創出に関する研究=物理化学をベースに斬新な設計概念を駆使して、分子と金属イオンが結合した金属錯体により、従来にない磁気物性を示す物質を数多く創出した。
 沖 大幹(おき たいかん)43歳。東京大学生産技術研究所教授(地球水循環システム)、東京都出身。研究課題:地球規模の水循環変動と世界の水資源需給の予測=全地球の水循環と水収支を種々の観測および世界の水利用に関する膨大なデータに基づき定量的に推定し、水資源に関する研究分野を新たに開拓した。
 林 康紀(はやし・やすのり)42歳。理化学研究所脳科学総合研究センターユニットリーダー(シナプス可塑性)、愛知県出身。研究課題:海馬シナプス可塑性の分子機構=脳の高次機能、記憶のメカニズムの素過程である海馬長期増強現象(LTP)について、先見性と独創性のある研究成果をあげてきた。
 藤原 徹(ふじわら・とおる)43歳。東京大学生物生産工学研究センター准教授(植物栄養学、植物分子遺伝学、植物生理学)、大阪府出身。研究課題:植物におけるホウ素輸送体の発見=古くから植物における必須元素の一つとして知られる、ホウ素の輸送に関わる遺伝子の初めての発見を起点に先進的研究を展開している研究者。

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